第三次世界大戦と全面核戦争の危機「ウクライナ侵攻から21世紀のキューバ危機へ」「世界は新冷戦もしくは第三次世界大戦の冷たい戦争か熱い戦争に突入」「G20がバリ島開催 【Nyepi day】を首脳会議で提案」「日本の自主防衛と核武装議論と安全保障政策」

ガルンガンの朝のお祈り

■明日3月3日は、バリ島のニュピ「静寂の日」です。新型コロナパンデミックによって、ニュピ前日のオゴオゴパレードが中止になって2年が経過し、3年連続でオゴオゴパレードが中止(村ごとの判断)であり、華やかなビーチでのムラスティも最低限のものと制限されました。「静寂の日」ニュピは予定通り。近所のバンジャールのオゴオゴを3年ぶりに見ることができて少しほっとしました。来年は4年ぶりのオゴオゴパレードと盛大なムラスティを見たいですね。

■ロシアのウクライナ侵攻によって「全面核戦争前夜」である「21世紀のキューバ危機」発生の可能性が高まっています。2020年6月29日のブログ【1962年10月27日は全面核戦争前夜であった。コロナショック後のエスカレーションにより、米中激突は「第二キューバ危機」に至る。ある日突然、日本は全面核戦争に巻き込まれる】とご紹介したような危機が、中国ではなくロシア版で2022年2月以降、顕在化の可能性が出てきました。限定的な戦術核兵器使用の想定ができます。もしくは戦術核兵器使用後、戦術核兵器を使用しなくとも、いずれの場合であっても、米国やNATOが制裁を緩和する可能性は低いと想定できます。よって戦略核兵器の大規模な準備に入る可能性が高まります。ロシアの戦略核兵器の運用がゆっくりか、突然大規模に展開されるかは不明ですが、米国やNATOも対応すべく戦略核兵器の展開をはじめるはずです。1962年10月に発生した、全面核戦争前夜の「キューバ危機」の再来が予測されます。

米国は1962年10月26日午後10時にDEFCON2となり準戦時体制が敷かれた。ソ連との全面戦争に備えアメリカ国内のアトラスやタイタン、ソー、ジュピターといった核弾頭搭載の弾道ミサイルを発射準備態勢に置き、ソ連と隣接するアラスカ州などのアメリカ国内の基地のみならず、日本やトルコ、イギリスなどに駐留するアメリカ軍基地も臨戦態勢に置いた。  また、核爆弾を搭載したボーイングB-52戦略爆撃機やポラリス戦略ミサイル原子力潜水艦がソ連国境近くまで進出し、B-52はボーイングKC-135による空中給油を受けながら24時間体制でアラスカや北極近辺のソ連空域近辺を複数機で飛行し続け、戦争勃発と攻撃開始に備えた。ソビエト連邦も同様に、陸海空で全面核戦争の準戦時体制に入った。全面核戦争前夜が現実となった瞬間であった。

キューバ危機は1962年10月16日から10月28日までを「米ソ全面核戦争前夜の13日」として、特に米軍が海上封鎖でキューバを封鎖した【24日から27日までの4日間は米国とソビエト連邦両国の政府首脳や関係官僚やスタッフのほとんどが、全面核戦争発生やその偶発的発生を覚悟し、恐怖していた本物の全面核戦争前夜であった】27日は暗黒の土曜日と言われ、偶発的要因で核戦争勃発のタイミングが3度あり奇跡的に回避することができたと言える。

■ウクライナ侵攻から欧米の銀行制裁によって、双方のエスカレーションがすでに短期間に発生している。米国バイデン大統領は「第三次世界大戦」や「核戦争」のキーワードを多用した演説を行った。ロシアのプーチン大統領は、すでに核恫喝ニュークリアブラックメールを繰り返している。核保有国の軍事大国が核恫喝ニュークリアブラックメールを出すことは史上はじめての事態である。イランや北朝鮮のケースど同様にイメージしてしまったり、第2次世界大戦で、世界中の大国に包囲された日本やドイツの状況に似ていると指摘するメディアもあるが、本質的な内容ではない。現在のロシアは、敗戦国の日本やドイツ、ましてやイランや北朝鮮とも全く異なるケースである。

米国と並ぶ世界最大の核兵器保有国である。ドイツも日本も、ロシアのごとく核兵器を保有していたら敗戦していなかっただろう。米国は日本もドイツも占領できなかったのである。20年以上に渡り、百戦練磨の独裁者であるプーチン氏のパーフェクトとも言える国内外の戦略が、2022年に入り、ウクライナ侵攻判断とキエフまでの苦戦において、この20年間になかった「戦略合理性」ではない判断(もしくは偶発性による苦戦)が明らかにみられる。これは何か?キエフまでの電撃戦から、キエフ包囲戦に作戦変更すれば想定内であるが、プーチン氏の戦略的な合理性が感じられない。病気や老齢による健康問題から、今までとは違い合理的な判断ができなくなっているのか?

今までの20年間の戦略とは違い、この戦争の落としどころが、より観えない方向に向かっている。戦略に合理性が欠けているように観える。軍事評論家や政治学者も、今までとはかなり違う戦略や行動に戸惑い、その根拠の論証に努めている。単なるミスや失敗であったとしても、今までに見られないミスの種類である。問題の拡大や長期化が起これば、ロシアにとって明かに不利である。よって学者やメディアは、病気や老齢による判断力の低下や精神問題を指摘することとなっているが、仮に進行性の難病などによって余命期間が確信されている場合、すべての戦略合理性の前に、ロシアとスラブの大義の判断が優先されるのではないか。よってロシアとスラブの本質的問題定義の明瞭化のために、軍事問題と国際政治問題の拡大方向は折り込み済みである可能性もある(本人のみ知る)長期化によって軍事問題の拡大と複雑化は必至であり、エスカレーションや偶発的危機発生も懸念される。

ウクライナ侵攻から「21世紀のキューバ危機」へ展開している現在、今後の世界は2つの方向が想定できる。全面核戦争前夜に至った後、①全面核戦争の勃発 ②全面核戦争危機の回避、の2つである。現実はどちらかにしか至らない。60年前のキューバ危機において、米国のケネディ大統領とソビエト連邦のフルシチョフ書記長の決断によって、全面核戦争は幸運にも奇跡的展開によって回避された。21世紀のキューバ危機が発生した場合、米国のバイデン大統領とロシアのプーチン大統領が、全面核戦争を回避できるか、全面核戦争が発生するか、どちらかが現実となる。

■21世紀のキューバ危機は発生し、全面核戦争が発生した場合「何」が起こるか?悪い想定においては、米国、ロシア、中国、インド、イギリス、フランスなどの核兵器保有国の大陸間弾道弾ICBMをはじめ多種の核兵器が、短期間に相互に全面発射される。ウクライナやヨーロッパだけの問題ではなく、米国や中国そして日本も核攻撃の対象となってしまう可能性を否定できない。たとえ偶発的な事故やミスであっても核兵器使用後にエスカレーションが発生した場合、例えば米国本土がロシアの核攻撃を受けるエスカレーションに発展した場合、米国が大都市部が破局的に破壊された場合、米国はロシアのみならず中国に対して核攻撃をする可能性がある。

大国が国家規模の破滅的な核攻撃を受けた場合、紛争関係でなくとも、その後の軍事侵攻を想定すると、関係国以外の大国にも核攻撃の必要が発生してしまう。よってエスカレーションによって全面核戦争においては、核攻撃を受けた中国は、米軍基地の本拠地である地域と大都市に核攻撃する可能性がある。事実現在でも、中国やロシアの核搭載弾道ミサイルは、日本の大都市や米軍基地に向けられていることが指摘させている。戦術核兵器使用ならウクライナやヨーロッパの問題であるが、全面核戦争前夜は日本は全く他人事ではない。

早ければ3月にも想定される21世紀のキューバ危機は、日本を含む全世界が相互に核攻撃を受け、エスカレーションによって数週間で臆単位の死者が発生し、その後の多くの国でインターネットや電気の停止から、交通、食糧問題の発生によって、数ヶ月で10臆単位の死者が発生することも想定できる。悪い想定では、21世紀のキューバ危機から全面核戦争に至る場合、第三次世界大戦は数週間の短期で終結することとなる。

すなわちウクライナ侵攻は3月以降「全面核戦争」と「突然の第三次世界大戦勃発と数週間の短期間での世界大戦終結」という、突然に勃発するリスクが含まれている「人類史最悪の戦争」が切迫している未曾有の人為災害である人類大虐殺のカウントダウンこそ「21世紀のキューバ危機」のリスクの本質である。よって、20年の合理性を備える独裁者が、人生最期の覚悟をしている気配もある、ウラジミール・プーチン大統領を決して楽観視してはいけない。今、世界中のメディアの多くが、プーチン氏を見誤っているのかもしれない。かつてない大規模な人類の命運が「ウラジミール・プーチン氏の明日の個人的な判断」によって決定されることは明白な事実である。たった1人の人間であるプーチンの考え次第であるが、現在すでに、手遅れである可能性も十分に想定されるべきタイミングに入ってしまっている。残念なことに、これは陰謀論でもフェイクニュースでもなく現実である。

■今回、21世紀の最初のキューバ危機が幸運にも収束したとしても、今後「全面核戦争前夜」であるキューバ危機は繰り返し発生するだろう。今後の大きな流れとして、冷たい戦争「新冷戦」か、熱い戦争「第三次世界大戦」熱いか冷たいかの違いだけで、世界は大規模な戦争準備の時代へ突入する。熱い戦争でも冷たい戦争でも、世界的な核兵器予算の増加や核技術向上や核拡散によって「全面核戦争前夜」の危機は繰り返し発生するだろう。また、新型コロナ収束後から世界的な経済危機(20世紀は世界恐慌)が顕在化して、各国は経済危機克服のため国家の拡大増進から戦争に突入すると思われる。

今回のウクライナ侵攻は、コロナ禍が継続しているままで発生し、世界経済危機を加速させ深刻化させる要因となる。ロシア発のエネルギー危機や大胆な金融・銀行制裁は両刃の剣であり、世界経済の混乱を拡大させることは確実となった。ウクライナ危機の戦争が終結してもしなくても、世界的な経済危機を加速させる要因となることは間違いない。またウクライナ危機が長期化すれば、東アジアにおける中国や日本の地政学的危機が深刻化する要因ともなる。もはや時代の深刻化は、不可逆的な流れを形成してしているように観える。バリ島も日本も世界も、2019年のコロナ禍以前の世界にもどることはありえない。絶望することはないが、決して楽観できる時代ではなくなったのである。

21世紀の2つの蕩尽現象では、20世紀前半のパンデミックや世界恐慌や2度の世界大戦のごとく大規模な人為災害の連鎖が、21世紀前半にも新型コロナパンデミックから、さらに増幅された大規模な為災害の連鎖を想定し、さらに21世紀後半には、世界全体で人口減少が人類史において一貫した現象として起こり、短期間に極端な人口減少から近代の終焉を想定した。しかし21世紀にキューバ危機が繰り返される場合、「全面核戦争前夜」の頻度や期間の増加によって、全面核戦争の可能性が高まり、顕在化してしまう場合は、第3次世界大戦が偶発的に瞬時に発生し終結してしまう。世界全体の深刻な被害と規模から、もとの世界への回復は難しく、そのまま加速して近代の終焉へ向かってしまう。よって21世紀前半と後半に想定した2つの蕩尽現象が統合してしまい、21世紀のキューバ危機から、22世紀を待つことなく、早ければ今世紀前半にも、1つの蕩尽現象がら、近代の終焉へのスピードが増してしまう可能性がある。

■今年2022年は、G20がバリ島で開催予定です。ロシアのウクライナ侵攻でどのような形になるか不明ですが、Meditation&Stillnessを首脳会議前に導入するといいですね。現在、世界が全面核戦争突入の危機であるとすれば、バリ島のみならず、日本もヨーロッパもウクライナもロシアも世界中で「静寂の日」ニュピに入り、人類全体で瞑想のタイミングが必要なのかもしれません。オゴオゴの悪霊(憎悪や煩悩)を焼き尽くし、瞑想と静寂の時間共有のタイミングかもしれません。世界同時にMeditation&Stillness「静寂の日」によって、エスカレーションが少しやわらぐかもしれません。次のキューバ危機が回避された場合にも、バリ島での緊急平和会議開催を提案します。バリ島のG20や国際会議においてMeditation&Stillnessの日が制定されるといいですね。日本語では【静寂の日】【世界ニュピデイ】であり 【Silence day 】【Stillness day】【Nyepi day】などが適当でしょうか。

■追伸3月4日  本来なら、ウクライナ侵攻を受け、北京オリンピック後の中国の動きや、日本の核武装や自主防衛議論に言及すべきだが、ウクライナ侵攻の事態の深刻化から後日とする。ロシアによるウクライナ侵攻の直前まで、欧米メディアの軍事学や地政学、政治学者は、専門誌や投稿論文においても「ロシアが侵攻するか否か見解が割れ、侵攻があってもごく一地域である」との推測が多勢であった。しかし2月24日には、ウクライナに侵攻がはじまり、しかも全土への大規模な侵攻であった。また、同様に核兵器の使用に関しては「最悪の最悪あるかもしれないが可能性は薄い」との見解であった。本日4日には、欧州最大規模のザポリージャ原発が攻撃された。これは明らかに核恫喝である。戦術核兵器の格納基地の所在も、米国は察知している可能性が高い。プーチンはウクライナ侵攻後も、戦略核兵器の使用についても、可能性を明確に肯定している。

侵攻開始から米英のメディアの政治記事から軍事学者まで、率直に「驚愕」の認識でプーチン氏の侵攻の予測範囲を超え、「合理性を欠いている」「狂気」という声が多く、専門家や学者の認識を超えており、病や精神疾患や正常な判断ではないなど、なぜ戦略合理性がなく戦闘を拡大し、さらなる収拾不可能な領域にすすもうとしているのか理解が及んでいない状況となっている。

次は戦術核兵器使用の恫喝だ。核恫喝を実行しても、現在の欧米の制裁は解除しないだろう。次にプーチンは米国やNATOに戦略核兵器の恫喝にむかうかもしれない。これで21世紀のキューバ危機がスタートする。全面核戦争前夜の状況によって、米国は交渉のテーブルにはじめてつくだろう。プーチンはキューバ危機をもって、最初で最期のおとしどころを探るしかないところまで追い詰められ、米国も同時に追い詰められる。米国の斬首作戦やロシアのクーデターが発生しない限り、全面核戦争前夜にもっていき、回避できれば、反ロシアで結束する欧米や世界も、不満が高まるロシア国民も、クーデター直前の側近も、すべての反プーチン勢力を一時的におさえこめる可能性がある。ロシアによる米英やNATOへの核恫喝ニュークリアブラックメールである。キューバ危機の再来である。

中国やインドなどの突然の仲介によって、新キューバ危機の世界的な緊張緩和のタイミングにおいて、和平交渉のテーブルから、プーチン自身の最期の生き残りに、極限の合理的判断を決断しているのではないか。その可能性を示すのは、通常兵力の投資ではなく、ICBMなどの弾道ミサイルの高度化や高速化技術に集中投資し、この分野において米国の技術を上回る側面をもつ。米国はロシアの核搭載の極超音速巡航ミサイル(Hypersonic cruise missiles)防ぎにくい状況が発生している。米国への核恫喝を10年単位で用意周到に準備してきた。

意識的にしろ無意識にしろプーチンは、全面核戦争前夜の状況をくりかえし想定してきたのである。欧米メディアは全面核戦争のリスクを想定していないので、プーチン戦略非合理性や健康不安や精神異常を指摘するが、当初よりウクライナ問題だけではなく、米国やNATOとの人生最期の決戦をプランニングしているのではないのか?プーチンにとって最期の決戦は、破滅に近いがギリギリの生き残りか、引き分け(全面核戦争勃発)であり、プーチン自身の敗北は想定していないかもしれない。さらに全面核戦争によって米国やアングロサクソンは消滅するかもしれないが、ロシアやスラブの方が、広大な領土と人口密度から再生の可能が高いと感じ、最期の決戦では、最期まで戦略合理的判断を継続しているのかもしれない。なぜならこの決戦に完全に敗北する可能性が低いとシュミレーションしているからだ。

最期の戦いのために、1年以上まえから侵攻をほのめかし侵攻せず、状況が訪れるのをまっていた。。。病気にしろ老齢にしろ、残り時間は少ないと感じていた。自身が生きているうちに、ウクライナを制圧してもロシアスラブの欧米化は避けられない、よって最期の戦いで、スラブロシアの生き残りをかけた戦いに拡大しようと考え、おとしどころはキューバ危機であり、その後の和平会議である。これによってプーチン氏の考えるスラブロシアの「最期の延命手段」と考えているのかもしれない。プーチン氏にとって最期まで戦略合理的な判断には違いないのである。その過程おいて米国やNATOなどグローバリズム勢力がすべて破滅しても構わないと考えている。数年前から同様の発言内容が繰り返されている。

プーチンが限定的核攻撃実行後に、何らかの形でウクライナ侵攻が収束しても、世界は核兵器使用はなしくずしとなる。限定的に核兵器使用があれば、核兵器使用の国家意識の低下は確実であり、21世紀のキューバ危機発生頻度は高まっていく。どちらにしても限定的な戦術核兵器の使用は地獄のはじまりそのものであり、ウクライナ侵攻やロシアではなく、世界的な核兵器使用危機の可能性は明らかに高まる。

第一次世界大戦と第二次世界大戦同様に、3回目の世界大戦もヨーロッパから勃発するのかもしれない、ヨーロパ諸国がほとんど巻き込まれた、実質的な世界大戦である「三十年戦争」と「七年戦争」を含めると、ヨーロッパの世界大戦勃発は、今回で5回目となる可能性がある。ヨーロッパの世界大戦から国民国家の近代がはじまり、最期までヨーロッパ発の世界大戦で、近代が終焉していくのかもしれない。近代西欧文明の総決算であり、近代全体の終焉にもつながるのかもしれない。オリエントの東端には、中国やアセアンがあり、インド、中東、アフリカと新オリエント時代への流れがはじまるかもしれない。

そんな歴史ロマンを語っているのは、現在のウクライナ危機が、ゆっくりとではなく、突然、西欧近代文明の終焉がスタートしてしまう未曾有のリスクを含んでいる緊張を緩めたい意識からである。何から書けばいいかわからいほど、大きな歴史展開がはじまっているが、混乱し整理できない。とりあえず、もし戦術核兵器の使用や、キューバ危機スタートの兆しがあれば、世界中どこであっても大都市部の居住者は疎開や避難の準備を考えはじめるタイミングであると感じる。

 

【追伸3月5日:日本の自主防衛と核武装議論について】

■日本の自主防衛と緊急な核武装の必要性について。日本がこのまま核武装議論のタブーを維持するなら、国民こそ亡国と地獄への戦犯であり、責任をとることとなる。個人としての選択はあるが、国として選択肢はない。日本は核武装以外の選択肢は残されていない。

平時において、民主主義は限定的に有効である場合もあるが、混乱時において、民主主義は亡国や地獄への制度となりえる。混乱の時代に、明らかに突入している。今や、日本では、国の議論ができない状態である。民主主義をこのまま放置すれば、日本は再び地獄となる。自主防衛や核武装は、日本の生き残りに必要である。できない場合、日本は時間の問題で滅亡に直面する。歴史的に論理に必然である。

日本は今、穏やかに、むしろ爽やかに亡国に向かっている。穏やかに爽やかに国が滅んでいくことは、歴史資料においても多くみられる現象である。滅びる国は意外に直前まで、危機感がないことは、古典においても確認することができる。穏やかに滅びようとしている日本が今、現実に存在していることは明らかである。日本国民は、やわらかい集団自殺を無意識に、やがて意識的に、滅びを受け入れようとしている。

■日本国を人間の体と例えると、炎症や麻痺が進行拡大しており、全身麻痺か内蔵や脳の機能不全にむかっている。余命期間に突入している。しかし現実や余命に国民は目をそらし、政府は余命の検査も、治療もできない状態である。機能不全検査はタブーであり、薄々感じているが、余命宣告は国民もタブーとしている。どこまでタブーとできるか?現実を回避することはできない。よって日本はあと2段階没落すると、余命自覚が国民に認識されはじめる。

2つの選択がある。一つ目、検査と治療をはじめる。二つ目、余命宣告をさけるため医療を回避する。個人なら選択肢があろう。しかし国家に選択肢はあるのか?国家にとって病気による死とは何か。日本の死とは、日本の国家主権が完全になくなること。もしくは日本が複数の国に分割統治された状態などである。日本は文化として存続するが、国家として崩壊・滅亡することが日本の死である。

個人の余命には選択肢があろう。しかし国家の全身麻痺や機能不全による、余命対応には選択肢はない。国家なら検査と治療をスタートし、余命を自覚するしかない。できなければ、日本は国益どころか、国家主権を完全に失う。主権のない状態や、国家分断で日本人同士が憎しみ合い、殺し合うことは日本人にとって悲劇でしかない。

日本国の余命を自覚するか、ごまかすか?あと2段階の没落によって、現実はつきつけられるのは時間の問題である。余命の現実が認識されるとき、日本の生き残りをどう考えるか?早い段階で、日本の全身麻痺と脳と内臓の機能不全に気づき、国民合意にいたるべき。手遅れの場合、日本の死とは国家主権の喪失や地政学危機によって、日本分断に至る。日本史で最大の悲劇であり日本史の終焉である。

■現在の日本は半主権国家であるが、国家主権喪失の危機である。個人の余命対応には選択肢がありえるが、国家の余命対応には選択肢はない。国家の生き残りをかけて余命を検査し治療するかない。日本人が地獄におちてしまうからでる。今、日本は余命認識を回避して、やすらかな滅びと死にむかっている。しかしどちらにしても、あと2段階没落によって、悲劇が決定的に国民に認知されると、余命宣告が結局のところ自覚されるしかないのである。

現実からは逃げられない。しかし日本国民は余命宣告を先延ばしにしている。余命の自覚をタブーとし検査や医療をタブーとしている。しかし体の痛みによる自覚は時間の問題である。そのときまで、やすらかに死をむかえたい空気を共有してしまっている。日本は余命宣告を避け、生き残りができなくなる手遅れの全身麻痺にむかっている。やすらかに爽やかに国家の死にむかっている。

■「個人の死と国家の死」日本国民は個人と国家の死を同一視している。よって民主主義にもとずき、国家の死を、やもおえずのイメージで、やすらかな社会衰退と日本国の死を受け入れはじめている。日本国民は明らかな判断ミスに陥っている。個人の死と国家の死を同一視してしまっている。個人と国家の死は、まったく別物である。財政問題同様の認識と同様の基本的な判断ミスである。

国家は個人の集合体にすぎないのであるが、個人と国家の思想を同一視することこそ、衆愚政治の発想であり判断ミスである。国民がこの認識ミスから脱却できない場合、民主主義は終焉する。個人の死に対する姿勢と選択肢は存在するが、国家の死の前に選択肢はありえない。現代日本では「個人と国家の死」が同じレベルで語られている。(国の財政問題を家計費や企業の経費と同レベルに扱う議論と似ている)これは国民の判断ミスである。ミスでないと仮定するなら衆愚政治と言える。

古典においても、民主主義の可能性が認識されている。プラトンは民主主義をネガティブに捉え、アリストテレスは期間限定の政治体制として、限定的な可能性のみと表現している。近代においてフランス革命から、特に世界大戦後において、米国が民主主義をイデオロギーとして極端に理想化しており、日本は影響を受け、自ら民主主義をさらならる理想へと強化した。

少なくとも限定的な可能性として、注意深く扱うべき民主主義を盲信し、個人と国家を同じレベルで捉えた議論に正統性を感じている。よって国家の死と個人の死を同レベルで発想している。日本国はやすらかで、爽やかですらある死にむかっている。また国民が潜在的に受け入れはじめている。

驚くべき衆愚政治である。末人的な姿勢に国民が陥っている。日本国民がこの潜在的な死の容認を拒否しなければ、民主主義に可能性はない。日本の国民は、義憤をもって、日本の死を回避すべく、断固とした意思を表明すべきである。国家の死は安らかでも美しいものでもありえない。国家の死は多くの犠牲者を出すリアルな地獄である。民主主義において、衆愚政治は国民の責任である。政府やマスコミの責任ではない。国のオーナーである「国民」が自主防衛と核武装の議論をはじめることが「日本の生き残り」唯一の道である。議論のタブーを維持するなら、日本の長期的な経済回復や国家主権維持はできないと考える。

戦後、吉田内閣当時において「富国弱兵」の道を選択した。本来は「富国強兵」に戻すことが正しかった。しかし悲惨な敗戦と米国との関係から「いつか自主防衛と国家主権を取り戻す」と多くの政治家は暗黙の了解で、一時的な「富国弱兵」であり、経済復興が成し遂げられた場合、未来の日本人は必ず「富国強兵」に戻す。一時的な決断であるとの共通認識であった。そのため自由民主党の党是にも「憲法改正」が当然のように盛り込まれている。

また、少なくともソビエト連邦崩壊のタイミングで憲法改正、国家主権回復、自主防衛などが、政治家や官僚や学者から発せられ国民議論となり、少なくとも自主防衛議論によって米軍依存体制を見直すべきタイミングであった。平成からは現在まで、国家規模の経済没落が継続され「貧国弱兵」に向かっている。すでに手遅れである可能性も否めないが、今回のロシアのウクライナ侵攻を機に、日本国民が地政学危機に目覚める可能性が高まっている。

国家主権回復や自主防衛の最期のチャンスが到来している。日本の国民や政治が、このタイミングで自主防衛と核武装の議論をスタートすることが、恐らく最期のタイミングであり、これを「平和主義」を根拠に黙殺し、議論のタブーを継続させた場合、日本の生き残りは長期的に不可能となる。日本の命運は外国勢力の国益総和の流れによって決まることとなる。

長期の日本の生き残りは不可能である。「ロシアとウクライナ」や「中国とチベット」など数多くの歴史が、日本の自主防衛と核武装議論のテキストとなる。核武装をしていないウクライナは国を失う、武装さえせず平和主義であり、祈っていただけのチベットに、中国は容赦なく人民解放軍で制圧し、チベットは主権喪失し中国の一部となった。短期中期の運命はわからないが、長期間の国家の命運に「自主防衛」は必然である。

平時において、民主主義は限定的に有効である場合もあるが、混乱時において、民主主義は亡国や地獄への制度となりえる。混乱の時代に明らかに突入している。今や日本では、まともな政策議論ができない状態である。民主主義をこのまま放置すれば、日本は再び地獄となる。自主防衛や核武装は「日本の生き残り」に必要なのである。できなければ、日本滅亡は時間の問題となる。歴史的に論理的に必然と思われる。

日本は現在、穏やかに、むしろ爽やかに亡国へと確実に進んでいる。穏やかに爽やかに国が滅んでいくことは、歴史資料においても観られる現象である。滅びる国は意外に、直前まで危機感がないことは、古典や歴史資料においても確認することができる。穏やかに滅びようとしている日本が今、現実に存在していることは明らかである。日本国民はやわらかい集団自殺を無意識に、やがて意識的に受け入れようとしている。日本の自主防衛と緊急な核武装の必要性について、日本がこのまま核武装議論のタブーを維持するなら、国民こそ亡国と地獄への戦犯であり、自身で責任をとることとなる。

日本が核兵器を保有していない場合でも、全面核戦争では日本は核攻撃される。核使用前や核戦争の初期段階においては、核兵器を保有しない場合、ニュークリアブラックメール(核恫喝)を受けやすく、通常兵器が無力化される可能性と、核保有国より核攻撃をされる可能性は高まる。全面核攻撃が発生した場合、保有未保有どちらにしても、敵国扱いであれば核攻撃を受ける可能性は残る。日本は米軍の重要拠点であるので、どちらにしても、全面核戦争の場合は攻撃を受ける。米中の全面核戦争の想定であっても、全面核攻撃の攻撃目標にインドや日本など、核戦争後の侵攻を恐れ、侵攻能力のある国は敵国と中立国も攻撃対象となる。

そもそも核戦争を含め、戦争や侵攻を防ぐには、核武装をすることが有効であり平和維持の手段である。ウクライナが核武装していれば、ロシアは侵攻できなかったのである。また核戦争勃発後には、核武装国の方が核恫喝を受けにくい事実もある。全面核戦争であれば、日本はどちらにしても核恫喝と核攻撃の対象となる。

よって、核武装しない国家は平和から遠いのである。核武装は戦争への道ではなく、核武装こそ戦争回避の効力をもつ平和維持手段である。全面核戦争の際、核攻撃を回避するために核武装しないなら、米軍基地を日本から撤去させ、通常兵力も経済力も減少させれば、核攻撃の対象としての可能性は下げることができる。しかし一般的な通常兵器での侵攻可能性を高めてしまう。よって日本の平和のためには核武装は有効と考える。

自主防衛が有効に配備されたあかつきには、米軍基地を日本から撤退させることで他国の戦争に巻き込まれるリスクは低下する。核武装を完了させた後に、米国、中国、ロシア、インドなどの軍事大国と、できるかぎり新たな安全保障条約を締結していくことが有効である。経済力や基礎科学分野の向上は平和維持に有効であり、自主防衛と核武装は平和維持の最低条件である。

日本の核武装、ウクライナ侵攻が後押しとなるのか BBC

 

【追伸3月8日:ロシアのウクライナ侵攻に関する過去記事を参照】

21世紀の人類の危機「2022年以降、世界恐慌と第二次世界大戦の蕩尽規模を凌駕する人為災害スパイラルが発生」

昨年の8月からのブログ。2022年以降からは、第三次世界大戦をはじめとする人為災害の連鎖がはじまり、それは新型コロナパンデミックとコロナ禍によって、世界各国が深刻な社会問題やメンタル危機が顕在化して行く過程で、経済危機から内乱や戦争に発展する想定でした。各国は経済危機を克服すべくプロセスにおいて国家の増進現象に伴う、軍事費拡大などから戦争に繋がると想定していました。しかし現実は世界的なコロナ禍の停滞経済から、突然、ロシアのウクライナ侵攻が始まりました。

各国の経済復興や回復プロセスの過程で、各国の対立がはじまるとの予想から、突然2022年の2月に第三次世界大戦と核戦争の危機がスタートしてしまいました。都合よく短期の地域戦で戦争が収束すると仮定しても、国家経済の復興プロセスを飛び越えて、各国に軍事費拡大がはじまっていく方向に進みはじめています。いずれにしても米中覇権や第三次世界大戦への陣営対立が、鮮明に顕在化していく歴史事象が2022年2月24日に発生しました。

米中戦争『限定的な核戦争』米ソ間とは異なり、中国と、米国の同盟国との間の軍事バランスが均衡していないからです。ジョン・ミアシャイマー 2020年8月米中覇権競争の香港で、毎日のように香港市民の大規模なデモ行動から、警察や治安部隊と衝突している時期に、ジョン・ミアシャイマーの朝日新聞インタビューを参照、将来の軍事紛争から米中のような大国間であっても「限定的核攻撃」はありうるという記事を紹介しまいた。よって現在のウクライナ侵攻によって、軍事大国同士のNATOとロシアの紛争から「限定的核攻撃」は予測される内容であったことが分かります。

■追伸以下2月24日のウクライナ侵攻前に書いたブログ
フィンランド、スウェーデンのスカンジナビア半島が、第2キューバ危機の舞台となる。第2キューバ危機は複雑化と長期化リスクの可能性。キューバ危機は数週に渡る全面核戦争前夜の期間であったが、ロシア、NATOの英国、フランス、米国など複数の核保有国が、スカンジナビア半島のロシア侵攻において、ニュークリアブラックメール(核恫喝)が複雑化のリスクが発生し、膠着状態によって、全面核戦争前夜危機の長期化が発生してしまうリスクを含んでいる。

キューバ危機同様に偶発的核攻撃準備が繰り返される可能性がある。地域戦争がおこっても、エスカレーションしても、起こらなくても、核攻撃の恐慌が、国家間の緊張と対立のエスカレーションを起こし、偶発的核攻撃のリスクが高まってしまう危機が想定される。ゆっくり第三世界大戦が拡大する懸念より、現在より数ヶ月から数年という短期間において、スカンジナビア半島において、突然の全面核戦争危機を想定しなければならない。

ロシアのスカンジナビア侵攻危機によって、複雑化や長期化する第2キューバ危機の発生によって、全面核戦争前夜から、全面核戦争か、地位的核戦争か、第三世界大戦の勃発か、危機回避によって一時的な停戦から、新冷戦へ至るか、もしくはそれらの混在と、さらに複雑化して第三世界大戦のプロセスに至るか、予測はできない。ざっくりと想定を3つに分けると①全面核戦争の勃発②第三世界大戦のプロセス③新冷戦のスタート、であろう。

いずれにしても第二次世界大戦以来、もしくは米ソ冷戦以来の大国間の戦争準備と、先進各国においての戦争準備と軍備拡張がはじまる。ロシアのウクライナ侵攻はグローバリズム経済と「平和な時代」の完全な終焉といえる。第二次世界大戦以来の世界的な混乱と戦争がはじまったのである。新冷戦と第三世界大戦の想定は各国で進められるが、スカンジナビア半島での第2キューバ危機発生をはじめ、今後突然、キューバ危機再来が繰り返され、その度に偶発的な全面核戦争危機が繰り返される想定が必要である。

すでにロシアのプーチン大統領は、繰り返しニュークリアブラックメール(核恫喝)を数年前より公式に頻繁に声明している。今後、世界中でニュークリアブラックメール(核恫喝)が発生することは間違えないであろう。ゆっくりとした第三次世界大戦の想定だけでなく、第2第3のキューバ危機が継続する想定が必要である。国家のみならず個人においても、最悪の想定が必要な時代に突入したのである。

 ■事実上、第2次世界大戦直前の日本並みに経済封鎖されてしまって、一歩間違えると、同じような行動を取るかも知れない。ドネツク・ルガンスク独立承認が満州事変段階だとすると、ウクライナ・キエフ侵攻が盧溝橋事件。ウクライナでは日中戦争のような泥沼化が起きえる。そして国際社会の経済制裁はかつてのABCD包囲網、対日原油禁輸措置並みのインパクトがある。その先は真珠湾攻撃への一本道だが、これは想像するだに恐ろしい。ロシアは核を持っているのだから。

それで想定されるロシアの苦境を考えると、ウクライナ侵攻という脇道の選択は合理的に説明がつかない。そこには「何か」あったとしか考えられない。「何か」はまだわからないが。(この視点を、世界中の学者や各国のインテリジェンスは徹底的に継続分析する必要がある)

もはやプーチンには追い詰められた上での「核恫喝」しか手は残っていない

 

【追伸3月9日:全面核戦争が勃発する場合、第三次世界大戦と近代の終焉が統合する

近代の終焉と新オリエント時代「21世紀の人類の危機は2つの蕩尽現象」第三次世界大戦や第二のキューバ危機によって、全面核戦争が勃発した場合、21世紀の2つの蕩尽現象は1つの流れに統合され、21世紀の人類の危機(人為災害のスパイラル)が、近代の終焉へ合流し、今世紀中にも、近代から中世への逆回転や、封建体制や18世紀19世紀の絶対王政や、帝国主義国家への並行した回帰と、ごく一部の近代国家が並立する時代や文明にむかうかもしれない。今世紀に近代の終焉と、中世以前の世界へ逆回転(世界人口の大減少)がはじまるかもしれない。

第三次世界大戦や人為災害のスパイラルによって、世界的な飢饉の同時広域化が発生すると、近代の終焉が加速してしまい、世界人口がゆっくとではなく突然に大減少が発生し、人類滅亡は回避できても、急速な近代の終焉となり、アインシュタインの言う通り「その次の世界大戦は石と棍棒が武器となってしまうかもしれない」

早い段階での、近代の終焉は中世を飛び越え、人類の生き残りが原始共同体に回帰してしまうかもしれない。第3次世界大戦や全面核戦争から、数十年で、先進国から途上国地域まで、おおよそ国家を維持できず、原始共同体と封建共同体地域の混在となり、世界人口80億から数億程度の封建社会と原始社会の世界となり、やがて大陸ごと、地域ごと、村ごとに分断された紀元前的世界に回帰してしまうかもしれない。

22世紀には、すでに近代と近代文明(仮名称)は過去の世界であり、世界人口の極端な減少によって、現在からは想像できない世界や文明であろう。もしくは未文明の時代に至る。その後文明が勃興するか否かは不明だが、一部の都市が近代を伝承するきともできるかもしれない。

文化や学術用語が一定時期継承されるかもしれないが、人口の極端な減少によって、文明の継承はできないと思われるが一部の科学技術が継承される可能性はある。都市の維持が可能な地域が存続できていればである。

 

【追伸 3月10日 :第三次世界大戦や全面核戦争リスクの世界的認知について】

■米政府、露政府、著名なヘッジファンドマネージャーなど、世界的な各メディアにおいて「第三次世界大戦」が露出され、インターネット検索ワードで「第三次世界大戦」が世界中の各言語で最多検索ワードとなった。この現象こそ「第三次世界大戦」が歴史上はじめてリアルな世界認識となった。世界的な大ニュースとしては、キューバ危機以来の「核戦争危機」としても歴史的な瞬間として、教科書に掲載されることは間違いない。歴史的な戦争ニュースが2022年2月24日以降、次々とメディアとネット拡散されている。

米国大統領「選択肢は制裁か第三次世界大戦だ」制裁の重要性訴え(毎日新聞)

第三次世界大戦なら「核戦争以外ない」ロシア外相、欧米を威嚇(読売新聞)

■個人的にも、このニュースは晴天の霹靂である。コロナ禍から1年が経過し、デルタ株が世界中で猛威をふるったころ、コロナ禍は20世紀のスペイン風邪の規模をはるかに上回る被害が確実であり、質と規模から未曾有の世界経済危機が世界同時に発生する想定から、本格的な世界経済危機と国家の拡大行動によって、2025年頃には東アジアで紛争、2030年代以降には第三次世界大戦の危機があり、その過程において、米中がキューバ危機同様の、核戦争危機を発生させるという時系列をなんとなく想像していた。

しかし昨今のニュースでは、コロナ禍でありパンデミックが収束していない状態の世界に、2022年2月にロシアのウクライナ侵攻から、第三次世界大戦のニュースと驚きべきことに、近未来の核戦争前夜のニュースまで、同時に飛び込んできたのである。晴天の霹靂であり「医師から母の余命宣告を聞いたときのネガティブで深刻なショック」体験を思い出させた。希望が薄く救いようがない絶望と恐怖感が、禍々しくも暗く輝きはじめたのである。

2年前、武漢で最初にパンデミックが世界的なニュースとなった際も、短期的な東アジア地域限定の、疫病であると誰もが感じていた。ロシアのウクライナ侵攻のニュースも「短期間の地域限定な戦争」であればよいと思われるが、この戦争から第三次世界大戦を切り離すこと、核戦争危機を切り離すことは、不可能であり専門家も一般人も「まさか」と感じ、世界人類が「晴天の霹靂」を同時に感じた歴史的出来事である第2次世界大戦以来、キューバ危機以来の大ニュースが、パンデミックが収束していないコロナ禍に、世界同時に本物の戦争危機ニュースであった。すでに世界中のメディアやネットに置いて、報道が繰り返されている。

ビル・アックマン発言:ウクライナに対するロシアの攻撃は、第三次世界大戦がすでに始まっている可能性が高いことを意味する

21世紀の人類の危機が、想像より早期に突然はじまったのかもしれない。世界のメディアがこれほどネガティブな戦争危機のニュースを繰り返し、世界中の人々が深刻にネガティブに感じたのは、恐らくはじめての現象と思われる。新型コロナパンデミックの長期化と先が見えない不安が継続され、世界大戦や核戦争危機も同様に、長期化・深刻化する可能性が高いといえる。2022年2月24日より「21世紀の人類の危機」に突入したのかもしれない。

■ロシアには限定的な核攻撃であっても絶対に実行させてはいけない。たとえ戦術核兵器であっても、無人地域への威嚇核攻撃であっても、1回目の攻撃で、西側は往復攻撃として、同様の限定的な核攻撃を軍事オペレーションの対応として、実行する可能性が極めて高い。つまりロシアの限定核攻撃で2回のパッケージの核攻撃が発生する。その後はキューバ危機の危機領域を超えた全面核戦争前夜となる。仮にそこから和平交渉に至ったと想定しても、その後の世界は核戦争の大胆な準備としての、米中覇権とNATOとロシアなどの複雑化した新冷戦がスタートする。

かつてない核兵器開発と配備競争のスタートである。核兵器同様の大量破壊兵器が複数開発され、非対称の複数の大量破壊兵器が複雑化した21世紀のキューバ危機発生の可能性が高まっていくだろう。つまりロシアに限定的核攻撃を許した後の世界は、人類のチキンレースである複雑化したキューバ危機が常態化、エスカレーションする地獄世界のはじまりである。一度、限定的であれ、威嚇であれ、ロシアの核攻撃が実行された場合、全面核戦争前夜の常態化と複雑化によって、人類規模で全面核戦争を含む、多種の大量死を繰り返す地獄世界となる。第三次世界大戦が全面核戦争の短期決戦で収束した場合、人類がはじめて体験する極北の地獄世界となる。第三次世界大戦と近代の終焉が統合してしまうだろう。

■米国は大きな判断ミスをした。第2次世界大戦直前のナチスドイツの軍事行動にイギリスとフランスと同様な宥和政策によって、ウクライナ侵攻をゆるしてしまったのである。ポーランド侵攻をゆるしたタイミングだ。その後のイギリスとフランスは宣戦布告をするが、「まやかし戦争」であり、実際はドイツを攻撃する振りだけであった。現在の米国やNATOも宥和政策から侵攻され、戦争の準備や制裁だけであり、米国もNATOも実際の戦争準備からは遠く覚悟もない。

またロシアに限定的な核攻撃をゆるしてしまう姿勢である。「まやかし戦争」を繰り返している。今度のロシアは核武装した独裁者の国家である。もし第2次世界大戦において、ドイツが核武装していたら、どのような歴史になったか想像してみる。ナチスはヨーロッパを征服し、ソビエト連邦と不可侵条約を継続し、米国はナチス・ドイツに宣戦布告をすることができず、歴史は大きく変わっていただろう。2022年2月24日、核武装したロシアの独裁者が戦争を開始したのである。第2次世界大戦勃発とされる「1939年9月1日に始まったドイツ軍によるポーランド侵攻」の歴史的侵攻より、「2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻」の方が、より深刻な歴史的侵攻である可能性が高まっている。第三次世界大戦が勃発した可能性が指摘されている。

よって、世界史が大きな変化をするタイミングは確実である。プーチンにクーデターや斬首作戦が実行されない場合、ロシアが勝利する可能性が高い。米国やNATOは核恫喝によって制裁を貫徹できないだろう。ロシアの最期の核恫喝やキューバ危機の再来で、米国は制裁を継続できるだろうか?恐らくはできない。米国やヨーロッパは宥和政策の代償を払うこととなる可能性が高い。【ウクライナ侵攻がどのような形で収束しても、収束しなくても、少なくとも「米中覇権戦争の準備や第三次世界大戦の準備が本格化することが確実となった」と判断できる。】第三次世界大戦と全面核戦争の危機がスタートしたと確信する。

 

 日本記者クラブ「ウクライナ」小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター専任講師

コロナ禍の2年前より、プーチンはクレムリンで仕事をせず、森の邸宅にこもる。コロナ対策か。歴史書を多く読み、論文を作成。ロシア軍の圧倒的な「ザツな侵攻」の謎。何らかの大失敗が発生している。恐らくプーチン個人と周辺の問題。ロシア軍全体の作戦になっていない。素人的なザツな戦略と戦争。原因不明のなぞ。しかしながら独裁権力は維持継続。不気味としかいいようがない。(すべてにおいて合理性を欠き、かつ失敗をくりかえし、あきらめない)

API地経学オンラインサロン「ロシア・ウクライナ問題を地経学で読み解く」

 

【追伸 3月13日: ソビエト連邦国家崩壊の真実と米国覇権の縮小】  

■ロシアのウクライナ侵攻の背景には、米国の世界覇権縮小と撤退局面があります。米国は早い段階から、ウクライナはNATO加盟国ではないので、軍事介入をしないとの姿勢を世界にアピールしてきました。しかし、1998年のヨーロッパのコソボ紛争には、非NATO加盟国のユーゴスラビアに軍事介入し戦争をしています。もともとソビエト崩壊の影響下にあった社会主義国でもありました。NATO加盟国でない、ヨーロッパの国に軍事軍事介入しています。よって「ウクライナのNATO加盟国でないから介入しない」という姿勢は、今までの米国の姿勢や原則にはありません。

そればかりか米国は第2次世界大戦後にも、NATO加盟国でない、かつヨーロッパでもない中東や中南米やアジアに、繰り返し積極的に軍事介入を繰り返してきました。

アメリカ合衆国が関与した戦争一覧

中東撤退や今回の東欧ウクライナにおいて、米国の世界覇権縮小と米軍撤退が、民主党政権の特色ではなく、一貫した米国の政策であることが分かります。今回、軍事同盟のヨーロッパ諸国のお隣にさえ、軍事力を投入できないほど、米国の軍事衰退は深刻であったことがわかります。東アジアにおいても、やがて一貫した撤退の影響が及び、米国は東アジアから撤退をはじめる可能性が高まっています。日本を見捨てるということではなく、中東からも、ヨーロッパからも東アジアからも、一貫した撤退が始まったと観るべきです。

■今回のウクライナ侵攻は防げたか?という視点も議論になりますが、今まで通りの米国の姿勢なら、ウクライナ侵攻は防げた可能性が高く、紛争になっても米国やNATOで、ウクライナに軍事介入すれば、ウクライナが泥沼になったかもしれないが、少なくともロシアやプーチンが核恫喝を継続することはでなかったかもしれず、昨年以前からのロシアの軍事介入の準備段階の、いずれかの時点で「米国とNATOは、次回ウクライナにロシアが侵攻した際は軍事介入する」との声明と準備をしていれば、プーチンが軍事介入ができなかった可能性と、介入しても浅い侵攻で終わった可能性があります。米国は中国との2正面作戦を警戒し、紛争介入による泥沼を警戒し、要するに、米国は軍事介入する体力も気力も失っていたのです。今後も、米国の世界覇権縮小が進むと考えられます。

■露大統領のプーチンは旧ソ連崩壊を「悲劇だった」との認識を繰り返し示してきたことに注目する必要があります。これはプーチンの国家観の根底にある認識です。ソビエト連邦の崩壊前後に何があったか?ソビエト連邦崩壊前後に、ロシア国民やプーチンはどのような体験をし、どのような感情が形成されていったのか?メディアをはじめ、政治・軍事や歴史専門家もあまりフォーカスしていません。米国側の論理はメディアやSNSに反映されていますが、プーチン支持者の多くの国民からも全くインタビューが掲載されることはありません。少なくとも英語や日本語メディアにおいては、欧米の思惑だけが多く伝えられています。ロシアが正義であるとは思えませんが、メディアにバイアスが掛かりすぎているのも事実です。

プーチンばかりではなく、現政権を支持する多数のロシア国民の感情は、どのように形成されていったのでしょうか?全貌はとても解明できませんが、第2次世界大戦後に、米ソ冷戦終結とソビエト連邦崩壊によって、ソビエト連邦やロシアは事実上の「敗戦」を体験したが、西側の希望的で、明るい報道の印象ばかりが記憶に残っています。しかし、ソビエト連邦崩壊前と崩壊後に発生していた、旧ソビエト連邦地域や、ロシア人に起こっていた「大惨事の人為災害」を認識も報道もしていません。ソビエト連邦崩壊はロシア人にとっての敗戦であり、戦闘はなかったものの、崩壊前後の長期間にわたり「国家崩壊」という戦争でも飢饉でもない人為災害を見落としています。

ソビエト連邦崩壊「国家崩壊」の歴史体験はロシア人にとって「恐慌」「戦争」「飢饉」や、大規模な自然災害同様の悲惨で苦しい体験だった可能性があります。事実、極端な平均寿命の低下(高死亡率)や、出生率の低下などによって、「戦争」「飢饉」以上の極端な人口減少が国家規模で発生しています。ここに極端な絶望死が起こっており、極端な生活苦が垣間見られていましたが、最近まで西側には認知されてきませんでした。

ソビエト連邦崩壊期(末期)健康被害と平均寿命などの人口動態の劇的変化については、すでに多くの研究がなされている。社会にアノミーが発生し、没落から崩壊に至る際には、餓死者が急増するなどではなく、政治、経済面の社会が目に見えて崩壊していたわけではいが、著しい健康被害が発生したため、ドラステックに平均寿命の低下が発生した。ソビエト連邦崩壊直前、直後に置いて、国民レベルでの「超過死」による大量死が発生していた。絶望死や精神的な健康被害の著しい急増によって、ソビエト連邦は、他国による侵略ではなく、国家自ら、やわらかい絶望とやわらかい自殺によって、内部崩壊していった可能性がある。私たちは、ロシア国民の想像を絶する、もうひとつの「戦争」や「飢饉」の苦しみに匹敵する、もしくはそれ以上の悲惨な地獄体験である「国家崩壊」を、見逃しているのかもしれません。

近代の終焉と新オリエント時代「21世紀の人類の危機は2つの蕩尽現象」「米国は崩壊か革命か戦争へ」ではブログ中段部において【ソビエト連邦崩壊と超過死とメンタルヘルス】を取り上げて紹介しました。

 

■今回の戦争について、これを単にウラジーミル・プーチンの妄想じみたビジョン、常軌を逸したビジョンから生まれたものだと考えてはなりません。この危機は、錯乱状態の指導者が打って出た狂気の一手の類ではないのです。ソ連の元報道官アンドレイ・グラチョフ「ロシアは第三次世界大戦に負けたかのような感覚だった」

プーチン露大統領はかつてソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的大惨事」だと言いましたが、そのプーチン大統領本人が躊躇なく自国を新たな地政学的大惨事へと突き動かしました。ウクライナの現状や国際社会で孤立を深めるロシアを見れば、まさに「大惨事」というべきです。

 

■冷戦の終わり方を間違ったことが今に至る。第一次世界大戦後、過大な賠償金を課した敗戦国ドイツが経済破綻し、不安定化してナチスになった。大きくいうと通ずるところもかなりあるのが、冷戦終結のとき。徹底的にソ連を打ちのめしてペレストロイカは失敗、急激な資本主義化で大混乱。これを抑えるにはストロングマンが要るとなり、プーチン大統領に至る。

力による現状変更をするための理屈として「ネオ・ユーラシア主義」なるものを持ってきた、ご都合主義のように見える。ご都合主義ならまだいい。だが、本気でロシア民族の三位一体を信じているとしたら、もう妥協の余地がない。

ウクライナ侵攻の本質…プーチン氏の「ユーラシア主義」とは? 浅田彰氏・先﨑彰容氏と既存秩序が崩壊する時代を考える

 

 ■その手段がどのようなものであっても、領域を跨いだ「クロスドメイン・エスカレーション」のリスクは常に存在する。米・NATOがウクライナへの直接的な軍事介入を控えていたとしても、経済制裁によってロシア経済が深刻な打撃を受け、プーチンの権力基盤が危うくなったり、ウクライナ軍に対する軍事物資や情報面での支援によってロシア軍がより劣勢に立たされるようなことがあれば、プーチンは支援の拠点・経由地となっているポーランドへ戦線を拡大させたり、核攻撃をほのめかすことによって、国際社会から支援や制裁の停止といった譲歩を引き出そうとする可能性は十分考えられるだろう。

 つまり、国際社会が核武装した現状変更国を本気で抑止しようとする場合には、いずれにせよ、究極的には核エスカレーションのリスクに備えなければならないのである。

ロシア「核恫喝からのエスカレーション」を止める唯一の方法――核をめぐる安全保障課題と日本の対応

 

■今後、ウクライナでの戦争が収束していく局面では、一定期間を経て、NATO加盟国でない、フィンランドとスウェーデンのあるスカンジナビア半島へ展開する可能性もあります。しかし、ウクライナから、このまま侵攻を継続する場合、最悪、ポーランドに注目が集まります。NATO加盟国なので、第三次世界大戦に突入する覚悟でプーチンは侵攻するか?プーチンが東欧から、米軍基地や核兵器の撤去を目的としている場合、一部ポーランドに侵攻し、第三次世界大戦の危機状況から、戦略核兵器の緊急運用や準備を行えば、キューバ危機再来となる。

ポーランドを一部占領後に、キューバ危機再来事態において、世界的緊張がピークに達する際、最初で最期の米NATOとロシア交渉となり、プーチンは東欧の核兵器や軍事基地の撤去を条件に、ポーランドからの撤退を約束するかもしれない。中南米の反米国家にロシアの核兵器持ち込みなら、中南米からの核兵器撤去も交渉条件の強化となる。交渉が成立すれば、全面核戦争前夜の緊張が緩和されるが、交渉が失敗した場合、全面核戦争の勃発となる。ロシアや欧米だけでなく、全世界の都市部や軍事基地が対象となる可能性は否定できない。【ロシア国内反体制派の活動や、国民のプーチン批判が高まると仮定しても、全面核戦争のキューバ危機型核恫喝は、米国やNATOばかりでなく、ロシア国内に向けても有効な恫喝である。ロシアの反プーチン勢力や国民への恫喝効果を同時にもつのである】全面核戦争への核恫喝は、悪魔を神に変えてしまう戦略である。

 

【追伸 3月14日:最悪のシナリオの1つ、21世紀のキューバ危機へ】

「核戦争の可能性ある」国連事務総長が危機感 (朝日新聞)

ネットばかりでなく、テレビや新聞などの大手メディアにおいても「核戦争の危機」が連日取り上げられ、専門家やコメンテーターから一般の意見まで、恐らくすでに「核戦争」が、世界中で話題となっている。メディアのグローバル化やインターネットの普及など時代の違いはあるが、すでに史上最大の核戦争前夜危機の前提が成立しはじめている。

■ロシアのウクライナ侵攻から、「最悪のシナリオの1つ」を想定する。今回のウクライナ侵攻以前から、「ウクライナの非武装中立化」は目的の一部である。プーチン自身の死後、いずれはウクライナもロシアも欧米化してしまうと考えている。かつてのロシアやスラブの国家主権は薄れていくだろう。であるならば、欧米型の民主主義も資本主義経済もいらない。

プーチン自身が健康でありロシアの指導者でいられるのは、そう長くない。少なくとも発言内容から、2020年頃までには、そのように確信しており、最期の総決算の仕事(軍事行動)もリアルに想定しはじめていたのかもしれない。そのため通常戦力より、核兵器やミサイル開発に集中投資を行った。今回のウクライナ侵攻でも、ウクライナを恒常的に軍事支配する計画も意志もない。なんらかの形で「ウクライナの非武装中立化」を行おうと考えているが、本目的はその先であり、ソビエト連邦時代からの米国やNATOとの、人生決着を図ろうとしている。

ロシア大統領のプーチンは、現在、核戦争に対応可能な地下シエルター要塞の一室で、1人で過ごしている可能性がある。面会や会議や命令はすべてモニター使用。ウクライナ侵攻前の側近大臣との会議でも、10Mも離れた場所に座っていた。すでに誰とも直接会うことはなく、シエルター要塞内のスタッフであっても、あらゆる裏切りや暗殺対策の警戒態勢を何年も前から、準備し完成させているはずである。よって戦略的に想定された地下シエルター要塞内においての側近による暗殺は極めて困難であろう。

ロシアの敗戦シナリオは、プーチンの斬首作戦や暗殺やロシア軍内のクーデターや、反戦のうねりから国民行動で、群衆がクレムリン宮殿周辺を封鎖などが、全国に波及することで、プーチンが失脚する国内政権崩壊シナリオのみである。

ウクライナの勝利や米国NATOの参戦の可能性が低いことから、「プーチン失脚」のみにロシア敗戦の期待を、世界中のメディアが言及している。しかし、地下シエルター要塞内での暗殺は想定外であり、プーチンの側近や政権幹部には、何重にも国家情報機関が警戒しており、家族なども事実上の人質であり、単独の軍部隊がクーデターに及ぶか可能性も指摘されるが、KGB出身の百戦錬磨の20年独裁者のプーチンが、軍のクーデターを厳重警戒するのは当然である。

また、核ミサイル発射にも、通常、複数の人間とプーチンのボタン許可が必要とされるが、独裁者の権限で、臨時にプーチン1人の意志で、核ミサイル発射可能な仕組みを作っているに違いない(法治国家ではない)よって、裏切りで、現場において核ミサイル発射を阻止されたとしても、直接の修正命令系統を、何重にも用意して、現場での裏切りも想定した、プーチン個人の意思で、何重にも、アクシデントや裏切りを想定したシステムを構築しているだろう。

ロシア国民の反戦運動拡大によるプーチン失脚。クレムリン宮殿近辺の政府が何百万の大衆に包囲される、などの期待が最も有効で大きいが、プーチンは容赦なく、戦術核の恫喝を国内地域にむけるだろう。それでもベルリンの壁崩壊の日のごとくの様相で、群衆が引かない場合は、国内に核攻撃も辞さない。よって、現在、プーチンが覚悟を決めている場合、ロシア国内の「プーチン失脚」は望めない状態にあるかもしれない。

そもそも、ウクライナ支配が目的ではないので、いずれかの時点で、ウクライナ国内において、戦術核兵器を使用、その後、一定期間後に、スカンジナビア半島(NATO非加盟国)に侵攻、もしくはウクライナ侵攻の一定の目途のあと、ポーランド(NATO加盟国)に侵攻。ポーランドの一部に侵攻後、世界大戦の危機の舞台に、中南米の反米国家にロシアの核ミサイルを持ち込む。全面的な戦略核兵器の臨時運用によって、米国とNATO加盟国に、全面核恫喝を行う。米国もNATOもロシアも、全面核攻撃の準備に突入し、21世紀のキューバ危機となる。

全面核戦争前夜から、双方の全面核攻撃によって、日本や中国やインドも含め、各国が各国に対し全面核攻撃が発生し、短期間で第三次世界大戦が終結してしまうかもしれない。もしくは幸運が重なり危機が回避され、和平が締結されれば、全面核攻撃は回避される。そのとき和平の条件として、プーチンは「ポーランドからのロシア軍全面撤退」、「中南米からの核ミサイル全面撤去」などを条件として、米国とNATOに、「東欧における恒久的な米軍NATOの軍事基地や核兵器もちこみ禁止」と、「東欧諸国のNATO加盟禁止」、「欧米の経済制裁などの段階的緩和」を条件として提示するかもしれない。全面核戦争の回避で、世界平和が訪れる。ウクライナ紛争から21世紀のキューバ危機において、プーチンの勝利に終わる。(その後、本格的なロシアと中国の経済圏構築がはじまる。米中覇権を軸とする、経済デカップリング化と、第三次世界大戦のグループ化が本格スタートする)

米国は核戦争の準備を粛々と進めている。米空軍の核爆弾に強い「最悪の飛行機」が空を飛び、短い訓練任務を遂行した。

 

■今回の軍事侵攻について、海上自衛隊の元海将、伊藤俊幸・金沢工業大学虎ノ門大学院教授は「プーチンの“誤判断”というか、軍事合理性で見て、絶対にロシア軍が勝てない戦争だ。それをやっちゃったことに驚きしかない」と断言する。

「ウクライナ東部にいるロシア人に”助けて”と言われたから、というのはクリミアを取った時と同じ理屈だし、そこまではみんなも分かっていた。しかし首都キーウ(キエフ)に攻め込むというのは、その瞬間、ロシアが侵略国家になって、プーチンはヒトラー以来のでたらめな人になってしまった。そして首都を攻略するためには20万人ごときの兵力では無理だし、ここが落ちたとしてもロシアからの距離を考えれば補給の問題が出てくる。後ろにバッファを作っておかなければならないし、そこを取られれば今度はロシア軍が孤立する。それこそアフガンのように長期化、泥沼化するということだ。

そもそもロシアの軍事費は日本の防衛費よりも少ない3兆円しかない。加えて経済制裁を受けているわけで、この戦争が長期化すればするほどロシアは滅びていくことになる。だからこそロシア将校の会のOBたちも“絶対にダメだ”と言っていたし、軍の高官たちも分かっていると思う。

「プーチン大統領が勝てない戦争を始めてしまったことに驚きしかない。仮に核を使えば第三次世界大戦だ」元海上自衛隊海将

 

 

【追伸 3月15日:ウクライナ侵攻から突然の軍事費拡大へ、早期の第三次世界大戦勃発の可能性について】

■世界各国はコロナ禍からの経済復興を難題と捉えている。変異種によってコロナ禍が継続される世界リスクと、ロシアのウクライナ侵攻によって、「世界各国は経済復興から経済危機へ」とフェーズの変容が進行している。

20世紀はスペイン風邪から世界恐慌へ。恐慌復興の過程で国家経済が拡大し、第2次世界大戦に突入した。21世紀は新型コロナパンデミックから、恐慌、インフレ、スタグフレーションなどが混在する複雑な世界経済危機に向かっている。世界恐慌当時は、10年を掛けて経済危機を収束させていったが、最期に戦争による景気回復によって決定的に経済危機を収束させた事実がある。

新型コロナパンデミックは、恐慌と同様の側面をもつ。現在の世界がスタグフレーションを含む複雑な経済危機に突入することは確実で、そこにウクライナ侵攻によって、突然、第三次世界大戦危機の空気が急速に拡がっている。20世紀の世界恐慌より、新型コロナパンデミックのもたらした世界経済危機は深刻であり巨大である。

よって各国は意識的に、無意識によって国家経済への移行を10年掛けて進める前に、突然、戦争準備と戦時経済への移行によって経済危機を収束させようと動きだしているのではないか?世界恐慌では各国の財政出動の規模が不十分であり、結局戦争と戦時準備によって、経済危機を収束させる財政出動を可能とした経過があった。世界各国は、新型コロナパンデミックのより深刻な経済危機を、戦争準備や戦争経済への移行によって、収束させようとする姿勢が突然発生した。

よって、20世紀の世界恐慌から、10年後の世界大戦勃発までの期間は短縮され、急速な戦争準備によって、短期間で第三次世界大戦に突入する可能性もある。今後、世界各国の軍事費拡大や財政出動にフォーカスすべきだ。また、極めて困難な巨額財政出動を、積極的に戦争準備と戦争経済で、コロナ禍からの経済危機を収束させようとする国も現れるかもしれない。

本来、国民合意によって、戦争準備以外の積極的財政出動が可能であれば理想であるが、歴史的に国民合意は困難であり理解は得られない可能性が高い。よって、地政学危機による戦争準備と戦時体制だけが、積極的財政出動と国民合意を可能とし、戦争準備と戦争継続と拡大が懸念される。

事実、大規模な財政出動を実行し戦勝国となれば、経済危機は脱出可能である。また、勝ち負けに関わらず、国家による戦時体制の巨額財政出動は、経済危機に唯一有効と思える最期の手段と言える歴史事実がある。国民合意があれば大規模なインフラ建設でも、何であっても財政出動によって、理論的には経済危機を収束できるはずであるのだが。特に民主主義の議会では、戦争以外の政策において、大規模な財政出動は、極めて難しい歴史経過がある。

戦間期の米国ルーズベルトであっても、巨額の財政出動は継続合意を得られず、十分な財政出動規模が可能となったのは、大規模な戦争継続による、国民合意によってだけであった(ニューディール政策は限定的効果であり、対日参戦によって景気は回復へ向かった。ニューディール政策を、さらに数十倍の規模で実行継続すれば効果があったかもしれない)よって21世紀であっても、唯一戦争だけが、経済危機収束のための政策のように観えてしまう。つまり世界的経済危機収束の必然として、戦争準備と戦争の多発が想定される。第三次世界大戦の準備が、突然、世界同時にスタートした。スタート日は2022年2月24日からであり、世界的規模で戦争準備の軍事費拡大や財政出動がスタートしたのである。第三次世界大戦まで、もはや10年も経過せず、短期間で突入してしまう可能性が高まったのではないだろうか。

 

【追伸 3月18日:米露21世紀のキューバ危機と、中国の「エネルギー安全保障」と「ドル基軸崩し」】

■現在のロシアの置かれている立場は、日本の太平洋戦争に近い側面も多い。太平洋戦争中の敗戦が色濃くなる後半において、核兵器開発に成功していたら、大本営は迷うことなく、米国大都市部の核攻撃を繰り返し、有利な停戦から戦争終結のために活用していたことは想像できる。また核兵器使用後の核恫喝によって、歴史が変わっていた可能性がある。日本は敗戦していなかった。

ナチス・ドイツが同様に核兵器開発に成功していたら、イギリスなどに核攻撃を繰り返し、ヨーロッパ覇権を手にしていたのではないか?さらに、ソビエト連邦が核開発に成功していた場合、スターリンはヨーロッパ覇権を手にしていた可能性がある。迷うことなくドイツに核攻撃していたのかもしれない。

現在、プーチン・ロシアの敗戦色が濃くなっていく場合、ウクライナやポーランドに戦術核攻兵器使用から、核攻撃と核恫喝を試み有効使用することは必然に思える。プーチン・ロシアを、これ以上追い詰めて、米国は戦争終結の具体的シナリオを持っているのだろうか?(プーチン警護部隊の暗殺誘発作戦など)米国やヨーロッパは、ロシアの全面核攻撃の恫喝を受けた場合、どう対応するか?米国の選択肢は少ない。米国は全面核攻撃の恫喝をロシアに返すしかない。

20世紀のキューバ危機の最期、木曜日から土曜日の「全面核戦争前夜」に向かっていないだろうか?現在より、スターリン風の大粛清から、国内外を対象とした核恫喝がはじまるのではないか?他力本願な暗殺が成功できなかった場合、米国は全面核恫喝に対しては、全面核恫喝のみが選択肢となる。米露両国は、すでに、21世紀のキューバ危機に向かっているのかもしれない。

米国・NATOとロシアのキューバ危機再来を、中国は望んでいるわけでない。全面核戦争のエスカレーションは中国にとっても望ましくない。米中覇権において、中国は20年以上、粛々と用意周到に準備を重ね、今後、さらに政治力、経済力、軍事力の充実を図り、米覇権の没落も手伝い、2040年代ではなく、2030年代に、覇権戦争突入の軍事準備や、戦争をしない方法で米中覇権に勝利する準備、両方の準備を粛々と進めている。

 

■Global Research Institute on Chinese Issues 中国はアメリカから制裁を受けている国々を仲間に引き込み、人民元の強化とデジタル人民元の実体経済への移行の可能性を模索している。あのとき国営石油会社サウジアラムコのナセルCEOは「今後50年間以上にわたり、中国のエネルギー安全保障を確保することが最優先事項だ」とし、また2020年11月には「将来的に中国人民元建ての社債発行の可能性がある」とさえ表明している。今般、ロシアの経済制裁に関する国連安保理決議にUAE(アラブ首長国連邦)が棄権したのも、そういった流れからだ。

2016年1月に、習近平はイランやサウジアラビアおよびエジプトなどを歴訪しているが、実は2015年にすでにSWIFTからの離脱を想定した決済システムのシミュレーションを試みている。「SWIFT、中国人民銀行清算センター、クロスボーダーインターバンク決済有限責任会社(CIPS)、中国決済協会、中国人民銀行デジタル通貨研究所」が共同で「金融ゲートウェイ情報サービス有限公司」を設立し、北京に本社を置いて、少しずつSWIFTシステムから逃れようと試みているのだ。もちろん二国間の通貨スワップ(交換)協定も強化しており、中国の中央銀行と税務署の統計によれば、人民元決済の中露貿易にける比率は17%と低いものの、今後は人民元と相手国通貨による取引の割合を増加させていくと新華網は報じている。

習近平が描く対露【軍冷経熱】の恐るべきシナリオ

ウクライナを巡る「中露米印パ」相関図――際立つ露印の軍事的緊密さ

アメリカのバイデン大統領は、先ずロシアをやっつけてから中国包囲網を強化すると言っているが、したたかな習近平は、【軍冷経熱】によって、中国経済の一人勝ちを決めていくかもしれない。対露制裁にインドも棄権していることから、インド太平洋戦略による対中包囲網、特にクワッド(米日豪印)構想は崩れていく可能性を孕んでいる。

国地図

※上記のように、米国グループと中国グループに分離していく予測と「今はロシア・中国対西側諸国という構図ではない。西側諸国の足並みに乱れはないが、それ以外の国は自らの国益に従って行動しているだけで、ばらばらだ」と、中国グループは現在、反米のなんとなくの集まりである、と考える学者も多い(よって、今後の変化に注視すべき)

 

【追伸 3月27日:第三次世界大戦とキューバ危機再来への可能性とエスカレーション要因】

■キューバ危機再来へのエスカレーション要因は、偶発的に発生もするが、米政権の判断ミスによって核戦争のエスカレーション要因を追加してしまった。大統領の健康問題は想定されていながら、最も重大な局面であり、最も世界が緊張する場所とタイミングで「大統領が発言ミス」をした。米政権内では準備段階で「原稿をそのまま読む」ことが、繰り返し確認されていたことは明らかである。

しかし、認知症を伴なう症状は、用意された原稿の内容をもちろん、今までの慎重に抑制された対ロシア政策をぶち壊しにしてしまう「発言ミス」であった。米政権はおろか、世界が、最も恐れていた大統領の発言ミスが発生してしまった。核兵器の誤作動にも匹敵するミスが発生した。慌てて軌道修正も手遅れである。

米国や世界(ロシアやプーチンさえも)が望んでいない「第三次世界大戦と核戦争」へのエスカレーション要因を、偶発事故ではなく、「恐れられていた大統領の健康問題」によって、絶対ミスが許されない最重用場面において、米政府は致命的な判断ミスを起こしてしまった。大統領の健康問題によって、繰り返し「発言ミス」が起こっていたのにも関わらず。なぜ、米政府は、原稿通り読ませる安全保障対策と言える準備を、構築できなかったのか?歴史的ケアレスミスであり、歴史的失言になりかねない。

演説草稿になかった「権力の座に」発言 直後に波紋、軌道修正の実情:朝日新聞

■核戦争への恐怖の総和がメディアに致命的なミスリードど拡散によって、今後繰り返し社会パニックを起こしかねない。しかしプーチン:ロシアは、戦闘激化と小出しの段階的な核攻撃恫喝へと進展させる可能性が高い。21世紀のキューバ危機は、SNSとフェイクニュースとミスリードで、実際は危機でないのに、核戦争前夜パニックが起こるかもしれない。また、本物の攻撃事故や偶発的危機が起こっても隠蔽されるかもしれない。前者はパニックによって、後者は事前情報なしに、核戦争前夜が発生する。

すでにSNSフェイクニュースでなくとも、一般の大手メディアやネットにおいても、全世界中で間違った、事実ではない記事が多く出回り、かつ修正も訂正もされないまま報道されている。以下は日本のニュースである。ロシアの核兵器搭載可能な極超音速ミサイルを、はじめて実践で使用した。とあるが、認識ミスであり「ミサイルの種類を間違えて掲載」したものである。よってこのような大ニュースとして取り扱われるべき種のものではない。このソースをもとに、あらゆるコンテンツへ拡散されている。また、SNSではロシアによる迎撃でノルウェーの米軍機が撃墜されたという間違った憶測もあった。アカデミー賞においてもエスカレーションは起こりうる。

ロシア軍、極超音速ミサイルを初使用 ウクライナ西部攻撃―武器貯蔵施設を破壊(日本中の新聞ソース)

4人搭乗の米軍機がノルウェーで墜落か、NATOの訓練中 当局

ウィル・スミスの暴力は内容判断は別として、アカデミー賞のタイミングから、ウクライナのエスカレーション要因となりうる。

 

■日本を含め欧米メディア(米国、ヨーロッパ、日本)主にG7諸国は、ロシアは悪であり、プーチンはヒトラーであり悪魔扱いである。しかし、インドネシアのニュースでは「ブラジル大統領はロシアのG20外しに反対表明」など、大手メディアでは、欧米のニュアンスとは全く違う。インドネシアはバリ島でのG20にロシア招待を正式に表明した。国連加盟国であっても、多くの国がロシア制裁に反対の立場か、中立で棄権するかであり、制裁を正式に表明している国は多数派といえない状況である。

中国、インド、アセアン諸国、中東諸国(イランと対立するサウジアラビアさえ)南米諸国、アフリカ諸国など、多くの国はロシア制裁に賛成していない。少なくとも大多数の国は、ロシアへの制裁を好ましいと思っていない。ましてや「ウクライナの正義の闘い」とも思っていない。日本はロシア制裁を認めるどころか、日本独自のロシア制裁を発動した。日本は大本営発表と同様な戦争記事を、またもや鵜呑みにしていないだろうか?日本で主流のメディア論調は、世界のごく一部地域の姿勢や価値観でしかない。

■今回の内容はともかく、今後、日本は3ヵ国の独裁的指導者を有する反日国家と反日指向国家に囲まれる。中国、ロシア、北朝鮮という、隣接する権威主義的な3ヶ国に「核攻撃の対象」として、地理的に地政学的に、米中露NATOの新冷戦や米中覇権戦争において、核武装していない国家として、潜在的に世界で最もリスクの高い国は日本である。

新冷戦から、中立地域への代理戦争がはじまり、世界大戦や覇権戦争が顕在化すると、キューバ危機の再来を恐れ、大国同士の直接対決を恐れ、核武装していない先進国が、最終的な戦場ともなり得る。中国に最も地理的に近い、米国グループとしての敵国日本。

非核武装国家、中国との全面戦争開始と伴に、米国は突然(もしくはゆっくり)主力部隊を日本の各基地から、オーストラリアやハワイまで一時撤退させる。米軍が撤退すれば、日本は日本自身で守るしかない。ウクライナのように、中国に核恫喝された場合、米国は日本に介入するか?ウクライナを観れば少しは予測できる。今後、日本周辺の核武装国家の核恫喝は、時間の問題でエスカレートすることは想定範囲内と言える。

キューバ危機”再来か 全米を射程に置く1万5000キロ 新型ICBMにバイデン大統領と国際社会は?【後藤部長のリアルポリティクス】(2022年3月25日)|TBS NEWS

■ 日本を含む世界は、新型コロナによる死亡者数と、コロナ禍による死亡者数を今だに理解していない。後者の死亡者数が「パンデミックによるコロナ禍死亡数」である。世界のパンデミックのコロナ禍の死亡者数は、第一次世界大戦の死亡者数を超え、第二次世界大戦の死亡者数に向かっている。たった2年間で。「新型コロナは風邪」であるなら、世界大戦も風邪程度の災害といえる。改めて、新型コロナは風邪とは全く違う現象と考えられる。以下は、2021年7月、インドネシアのコロナ禍中においての「超過死」記事が含まれている。

21世紀の人類の危機「2022年以降、世界恐慌と第二次世界大戦の蕩尽規模を凌駕する人為災害スパイラルが発生」「日本は戦後最大の閉塞感へ」「バリ島の8月死者数は世界最悪水準」

「新型コロナパンデミックは世界大戦以上のメンタルヘルス被害」を人類に与えている可能性がある。すでにこの2年間のコロナ禍において、世界各国の社会は、戦争以上に悲惨なメンタルヘルス被害が発生しているのかもしれない、という深刻な現象仮説がある。私たちは、すでに「21世紀の人類の危機」に突入しているといえる。疫病や経済危機から人為災害スパイラルは、さらなる人為災害である「大規模な戦争」に向かう可能性が高まっている。

日本の「コロナ死者数は10万人超」 衝撃の推計

COVID-19パンデミックによる過剰死亡率の推定:COVID-19関連の死亡率の体系的分析、2020–21

■2月24日にロシアによるウクライナ侵攻がはじまったが、世界的な経済危機や戦争ははじまったばかりであり、第三次世界大戦のプロセスと言える「陣営グループ分け」が本格的にスタートした地域戦と捉えられる。すでに核戦争危機が発生しているが、全面核戦争に発展しない限り、新冷戦や第三次世界大戦の陣営グループ分け本格化した年ではないだろうか。新冷戦から、本格的な第三次世界大戦への準備の過程で「キューバ危機の再来」は、繰り返し発生すると思われる。「非対称大量破壊兵器による、複雑化した複数国による、新たなキューバ危機」も予測される。新型コロナパンデミック環境によって、2月24日より21世紀の人類の危機がスタートしたのかもしれない。

ウクライナの危機は歴史の危機です

プーチンがそうであったように、ヨーロッパにとってさらに不安定になる可能性のあるロシアの専制政治が、将来にあるかもしれません。第一次世界大戦の恐怖がナチスドイツの悪夢を生み出した後の懲罰的な平和。ロシアは急激に衰退しています。私たちは事実上、ソビエト連邦の第二崩壊を見守っています。ロシアが崩壊するときの危険に注意してください。

ウクライナ戦争は、より破滅的な紛争が来るための単なるリハーサルかもしれません。それは1904年から1905年の日露戦争の場合でした。世界はロシアがすぐに勝利を収めると想定していましたが、そのパフォーマンスの低さは、皇帝君主制の崩壊を予見し、多くの点で第一次世界大戦の前兆でした。1914年の最も恐ろしい特徴の多くは、1905年に試運転されました。

■ワシントンポスト紙コラムニストのイグネイシャスは、2月8日付け同紙掲載の論説‘The crisis in Ukraine is one for the history books’において、ウクライナ危機は、将来専門家達による事例研究のひとつになると言い、上記の中露共同声明はケナンのソ連封じ込め戦略の中露版と考えることもできる、ウクライナを巡る対立は「逆キューバ危機」である、などと指摘している。その通りであろうと思われる。目下のウクライナ危機は、それほど歴史的な意味合いを持っている。

「逆キューバ危機」と言えるウクライナと中露共同声明

絶望的なプーチンはこの危機を、世界大戦に向けてエスカレートさせる可能性が高くなる可能性があります。ウクライナ戦争の最も不気味な副産物は、核兵器の有用性の実証です。ロシアには4,000発の核兵器があるため、NATOは飛行禁止空域でこの戦争に直接介入していません。そして正直に言うと、もしウクライナが1994年に核兵器を保有していたら、米国が武装解除を迫ったとき、プーチンは侵略しただろうか?疑わしい。教訓はイラン、サウジアラビア、北朝鮮で失われることはありません。この戦争は、歴史上最大の核拡散を世界に実現してしまう可能性をもつ。

 

■一部の専門家は彼の演説を身も凍るような兆候と見なした。モスクワを拠点とする政治アナリストのアンドレイ・コレスニコフ氏はツイッターで、「プーチンはオーウェル的なやり方で、ロシア市民をきれいなものと汚れたものに分けた」と述べた。ワシントンのブルッキングス研究所のシニアフェローであるコンスタンツェシュテルツェンミュラーは、プーチンの演説を、2004年の映画「ダウンフォール」のバンカーからのアドルフヒトラーの架空のティレードと比較しました。

プーチンはロシアのオリガルヒのために、特殊な怒りを表現しました。その多くはクレムリンの億万長者であり、旧ソビエト連邦の彫刻で財産を築き、現在はその多くを西側のヨットやその他の贅沢品に費やしています。それらのいくつかは最近、プーチンの戦争から距離を置いた。プーチンは、具体的に誰かを指名することなく「マイアミまたはフレンチリビエラに別荘を持っている、フォアグラ、カキ、またはジェンダーの自由なしでは成し遂げられない」「国民の裏切り者」に言及しました。

彼らの「卑劣な精神」が「彼らの心の中で、ここでは私たちの人々やロシアとではなく」西洋的すぎると批判した。プーチンの脅威は、彼が追い詰められるにつれて、国内外で増大します。水曜日に彼に反対するロシアの「スカムと裏切り者」に対する彼の暴言を見るのはぞっとしました。地球上のすべての合理的な国の諜報機関は、プーチンが厄介ないじめっ子から大量殺戮者に移る前に、プーチンの最期の影響力を、減少させる方法を検討する必要があります。

「裏切り者」ウクライナへの圧力の下で、プーチンはロシア人に怒りを向ける

 

■プーチンがヒトラー最期の心理・精神状態に近いのではないかとの指摘。追い詰められたヒトラーが核兵器開発に成功していたら、積極的に使用したであろう。1945年4月22日の精神状態ならヒトラーでもプーチンでも核兵器を積極的に使用したかもしれない。しかしプーチンが勝利への合理性を有している場合は核兵器使用はないと思われる。よって、米国はプーチンを1945年4月22日まで追い詰めてはいけない。ヒトラーと違い、プーチンには「核兵器」が残されているからだ。

(独裁者が軍の指導者に叫び、ドイツ全土を臆病者の集団として非難し、ベルリンから逃げるのではなく自殺すると発表したシーン)ヒトラーの自殺の8日前の4月22日の午後にバンカーの地図室で行われた3時間のブリーフィングでした。赤軍はベルリンの郊外に到着し、ヒトラーは、SS将軍フェリックスシュタイナーの指揮下にあるほとんど架空の戦闘グループがロシア人を押し戻すことができるという考えに固執していました。ヒトラーが反撃が行われなかったと言われたとき、彼は明らかに怒りに爆発し、あらゆる方向に命令を発し、戦争が失われたことを発表した。

バンカーでのヒトラーの最後の日々を再考する

 

■新冷戦時代は中立国地域の熱い戦争の頻発が予測される。ロシアのウクライナ制圧後に想定される悪夢のシナリオ「岡崎研究所」 ロバート・ケーガンによって描かれた悪夢のシナリオは、衝撃的である。

ロシアのウクライナ制圧後に想定される悪夢のシナリオ

彼が論説の末尾で述べた戦略的・地政学的な変動とは、ロシアの軍事的復活と米国の影響力の衰退を反映した欧州地域と、東アジアと西太平洋における中国の勢力拡大が相俟って、現在の国際秩序が破壊され、世界的な無秩序と紛争の時代が始まる、というものである。

 

■ロシアが核を使用する可能性はあるのか、原子力発電所を占拠したのはなぜか、ウクライナへの軍事侵攻が今後の核軍縮にもたらす影響などについて話した。

日本記者クラブ「ウクライナ」秋山信将・一橋大学大学院教授

 

【追伸4月9日: 「日本の生き残り」①国防安全保障(自主防衛=早期核武装)②食糧エネルギー安全保障③経済安全保障】

 

■2022年以降、日本の自主防衛=核武装 2022年、日本の言論人、知識人の発言をレコードする。参院選前に自主防衛と核武装のアンケートを。現在の政党と国会議員、地方議員の国防安全保障の立場をアンケートからレコードすべし。2022年の日本人の自主防衛と核武装の判断で、日本の長期国家主権の維持が決定。日本の短期、中期、長期の政治経済の予測。短期は困難と苦しみ。中期は経済復活の可能性があるが、「自主防衛=核武装」なしで長期の国家存続は不可能である。

 

よって、2022年の自主防衛=核武装議論は、日本の最優先重要政策テーマである。現在から参院選選前まで国民議論になるか?少なくとも2025年までに核武装を実行できない場合、日本は自主防衛=核武装は永久にできなくなる可能性が高まる。近代国家成立や太平洋戦争敗戦のタイミングと同様であり、日本の戦後は永久に維持され、近代化に失敗した、19世紀清朝末期のようになってしまう。

没落の継続から植民地、国内混乱や内戦を経て、孫文、蒋介石、毛沢東などによって国家が形成されはじめ、経済の近代化は、1980年代になり鄧小平よって、近代国家の経済がスタートした。清朝末期に国家主権が没落しはじめ、崩壊し、植民地から国家主権の回復、から近代国家の経済回復まで、180年以上、国家混乱から崩壊、主権回復から国家経済回復まで、日本の明治維新の成功を横目に、中国は近代化に失敗し、130年も国家主権回復の遠回りをし、180年間、近代国家の経済に到達できず、近代化の失敗によって180年の国家崩壊と混乱の地獄の時代に突入したのである。

歴史的には国家主権回復もできなかったかもしれない可能性もあった。中国のように180年、いや、何百年に及ぶ、国家没落、崩壊、植民地、混乱、という国家主権の脆弱化や喪失の危機である。「自主防衛=核武装」この決断ができない場合、日本国民は何百年もの、地獄に突入する国家危機が目前に迫っている。

清朝末期から鄧小平があらわれるまでの200年の国家主権状態から、地獄の時代を歴史考察すべきタイミングである。日本の国家主権が脆弱化から喪失への可能性が高まっている。2025年までに、日本の国会や閣議において、自主防衛=核武装が決定実行されない場合、日本は国家維持ができず、地獄の時代に突入し、何百年収束できるか、できないか不明であり、主権の復活ができない国家も、歴史的には想定内の現象である。(ザックリな流れ)

 

■「日本の国家主権やナショナリズム」概念再構築の必要性について(今後、多くの有効概念が、新ナショナリズムとして発掘されていくに違いない)ナショナリズムの概念は、より広義で有益である認識が必要。近代国家の存続にとって「一定のナショナリズム」は必要不可欠なものである。戦後のネガティブなナショナリズム概念のままでは、日本の生き残りは不可能である。以下の「清朝と近代世界」からは、明治維新と同様のナショナリズムと国家主権が読み取れる。

アヘン戦争敗戦後の清朝に関しては、近代化を志向しつつも挫折し衰退していった、時代遅れの腐敗堕落した王朝、という印象が強いと思う。本書はそのような通俗的イメージの打破を図ったもので、アヘン戦争後の清朝の勢力回復を説く。1860年代以降、清朝はイギリスとの関係を安定させて、諸反乱も次々に鎮圧、1870年代から80年代にかけては周辺地域への影響力を強め、列強諸国とも激しく渡り合った。清朝は列強から一方的に侵略される存在ではなく、欧化政策と老練な外交交渉によって体制の立て直しに成功していた、というのだ。要するに、清朝は西洋中心の国際秩序を受け容れ、また彼等の科学技術を採り入れるという自己変革を遂げることで近代世界に参入したのである。したがって筆者によれば、清朝末期はもはや「前近代」ではなく、「中国近現代史」の一部ということになる。(レビューより)

清朝と近代世界――19世紀〈シリーズ 中国近現代史 1〉 (岩波新書)

 

【明治以来の外発的近代化による素朴な近代国家から、内発的近代化への道程は、知識人の内的近代化によって始まる。地政学的危機に巻き込まれる前に、国民国家の本質的な再近代化によってのみ、立法や政策議論が有効となり、日本の生き残りが可能となり得る。内発的近代化による一定のナショナリズム再構築によってのみ、没落から滅亡が回避できる】

 

ロシア・ウクライナ戦争からの世界的食糧危機と日本の食糧安全保障

 

過去30年間、米農務省の農業環境国立研究所の所長として、こうした事象を研究してきたジェリー・ハットフィールド氏は、世界のいくつかの地域で危険な兆候が見られると述べている。「今年、世界の穀倉地帯のどこかで気候変動が起これば、壊滅的な打撃となるでしょう。2008年や2012年とは比べものにならない規模となります。われわれはおそらく、世界的な規模の食料生産ショックを経験することになるでしょう」と氏は警告する。「食料システムが直面している最大の脅威は、肥料取引の崩壊です。小麦の影響が及ぶのは数カ国ですが、肥料問題は世界中のあらゆる農業従事者に及び、小麦だけでなく、すべての食料生産を減らす恐れがあります」

 

2022年、ウクライナ危機が勃発し、小麦をはじめとする穀物価格や原油価格、化学肥料の原料価格などの高騰が増幅され、最近、顕著になってきた食料やその生産資材の調達への不安に拍車をかけている。

 

ロシアとウクライナで世界の小麦輸出の3割を占める。日本は米国、カナダ、オーストラリアから買っているが、代替国に需要が集中して争奪戦は激化している。

 

「食料を自給できない人たちは奴隷である」とホセ・マルティ(キューバの著作家・革命家)は述べ、詩人・彫刻家の高村光太郎は「食うものだけは自給したい。個人でも、国家でも、これなくして真の独立はない」と言った。

 

はたして、2020年度の食料自給率が37.17%(カロリーベース)と、1965年の統計開始以降の最低を更新した日本は独立国と言えるのかが今こそ問われている。不測の事態に国民を守れるかどうかが独立国の最低条件である。

 

食料自給率が過去最低となった日本の今そこにある危機

 

 

以下の記事は、ウクライナ侵攻前の、2021年11月のものである。

国連WFP、深刻な飢餓が急増し大惨事が迫っていると警告

 

ロシアによるウクライナ侵攻によって、世界の食糧危機の深刻化が深まった。国連世界食糧計画(WFP)のトップは3月29日、ウクライナでの戦争が「第2次世界大戦以来、目にしたことのない」大惨事を地域の農業と世界の食糧・穀物供給にもたらしていると警告した。

 

「大惨事に大惨事が重なっている」。WFPのデイビッド・ビーズリー事務局長は国連安全保障理事会の会合でこう述べ、ウクライナは世界の穀倉地帯からブレッドライン(パンの配給を受ける人々の列)に変わったと付け加えた。「このようなことが起こりうるとは、私たちは夢にも思わなかった」

 

都市部のロックダウンで多くの出稼ぎ労働者が行動を制限され、農村部の作付けに戻れなくなっている。仮に戻れたとしても、14日間の隔離期間を経なければ作業に取りかかれないのである。

 

このようにして、コメやトウモロコシなど春に作付けする穀物の生産量が減少すれば、中国は穀物調達のため海外からの輸入拡大を強いられる。それは、新型コロナウイルス問題や、ウクライナ問題によって既に高められている食料インフレの傾向を、さらに加速させてしまうだろう。

 

それは多くの国で一段の物価高を生じさせ、家計への打撃となる。さらに低所得国では深刻な食料不足問題を生じさせる可能性もあるだろう。中国の「ゼロコロナ政策」は、このような経路でウクライナ問題と結びつき、世界経済の問題をより複雑にしているのである。

中国ゼロコロナ政策が世界経済のリスクに。ウクライナ問題と結びつき世界の食料問題にも

 

インド・インドネシア、東南アジア、アフリカなど、世界人口の80%以上の国々。ここでの途上国、新興国の範囲は、世界人口80億人の83%(66憶人)が住む低所得国および中所得国(LMIC)とする。飢饉のプロセス理論:脆弱性の観点から【飢饉は人為災害である】

社会保障制度基盤のない途上国(新興国)で失業と貧困拡大。「飢饉に対する脆弱性」とはインド、東南アジアから世界中の途上国(新興国)地域に拡大する経済危機と貧困拡大である。コロナ禍前であっても、世界の飢餓の50%はアジアに集中していた。

21世紀の人類の危機「2022年以降、世界恐慌と第二次世界大戦の蕩尽規模を凌駕する人為災害スパイラルが発生」「日本は戦後最大の閉塞感へ」

 

経済安全保障だけでなく、すべての安全保障の基盤である「財政論」について

日本はコストプッシュ型インフレーションへ、恐慌より複雑な経済危機であるスタグフレーションへ突入。「経済安全保障としての財政論」「最も重要な安全保障政策としての財政論」積極的財政は恐慌から、スタグフレーションにも有効である。財政論こそ、日本経済と、すべての安全保障議論の基盤であろう。

激突!「矢野論文」バラマキか否か 小林慶一郎vs.中野剛志

最も重要な安全保障政策として、財政論のパラダイム変容が必要。現在、財政天動説から財政地動説への変容期である。国防安全保障や食糧エネルギー安全保障の基盤となる積極財政論こそ、現代日本の経済地動説である。

「高橋是清の経済政策と現代への教示」責任ある積極財政を推進する議員連盟 第1回勉強会 令和4年2月24日

■日本は、デフレの回避という、マクロ経済運営の基本中の基本にすら失敗してきた国である。そのような国は、戦後、どこにもない。日本の経済学者や経済政策担当者の水準は、先進国中、最低と言ってよい。そんな日本が、デフレの脱却すらできないままに、スタグフレーションという複雑な困難に巻き込まれて、果たして耐えられるのか。耐えられなければ、このスタグフレーションは、日本経済にとどめを刺した現象として、歴史に記録されるであろう。(日本経済を壊滅させる「スタグフレーション」に警戒せよ)

■カントの「純粋理性批判」から、自身の哲学がものごとのとらえ方を逆転させた「コペルニクス的転回」と呼ばれる。日本の財政論に「コペルニクス的転回」が起こらない場合、日本は天動説と伴に、経済復興や回復が不可能となり、経済没落は永続するしかない。経済没落が止められない場合、日本のすべての安全保障がおろそかとなる。(予算が足りない)財政論の「コペルニクス的転回」は、日本のすべての安全保障の基盤である。

日本のコペルニクス、ケプラー、ガリレイは一貫して劣勢であり、クラウディオス・プトレマイオスの地球中心説(天動説)が、圧倒的優位にある。プトレマイオス天動説の支配から、財政論に「コペルニクス的転回」が起こるか、起こらないか?である。日本の天動説が維持される場合、日本は、人為災害や自然災害にも対応できず、没落から滅亡(崩壊)にむかう可能性が高まる。「日本の生き残り」は財政論の「コペルニクス的転回」によってのみ可能であるとも言える。

 

日本の国防安全保障【自主防衛=核武装】について

「当面、日本の安全保障に日米同盟は不可欠だとしても、米国に頼りきってよいのか。米国の行動はどこまで信頼できるのか。こうした疑いを拭えない以上、日本は核を持つべきだと私は考えます」

ミアシャイマーの指摘でもう一つ重要なのは、ウクライナの加盟でNATOが国境にまで迫ること自体が、ロシアにとって存亡に関わる「死活問題」だ、ということです。ここから彼は、ロシアは米国やNATOよりも決然たる態度でこの戦争に臨み、いかなる犠牲を払ってでも勝つだろう、と結論するのですが、この点は間違っていると思います。というのも、このウクライナ問題は、米国にとっても「死活問題」になりつつあるからです。

 

ロシアの侵攻は、米国主導の国際秩序を揺るがしつつあります。これに衝撃を受けた米国は、直接的な軍事介入以外のあらゆる手段を用いて、ロシアの侵攻を止めようとしています。もしこれで米国がロシアの勝利を阻止できなかったら、米国の威信が傷つくでしょう。

米国は、軍事と金融の覇権を握るなかで、実物経済の面では、世界各地からの供給に全面的に依存する国ですが、このシステム全体が崩壊する恐れが出てきます。ウクライナ問題は、米国にとっても、それほどの「死活問題」なのです。ここが、ミアシャイマーの見誤った点です。

エマニュエル・トッド 日本核武装のすすめ 米国の「核の傘」は幻想だ

『核共有』という概念は完全にナンセンスです。『核の傘』も幻想です。使用すれば自国も核攻撃を受けるリスクのある核兵器は、原理的に他国のためには使えないからです。中国や北朝鮮に米国本土を核攻撃できる能力があれば、米国が自国の核を使って日本を守ることは絶対にあり得ません。自国で核を保有するのか、しないのか。それ以外に選択肢はないのです。

春名幹男×宮台真司×神保哲生:核戦争と第三次世界大戦の可能性が高まっていると考えられるこれだけの理由

■2022年、人為災害スパイラルが、エスカレーションへ、途上国の経済危機、先進国でもエネルギーと食料問題とインフレ拡大、中国でも、コロナ禍パニック。世界的な経済危機の地域拡大、食糧とエネルギー危機の拡大によって、人為災害スパイラルが急加速する可能性が高まっている。

 

国内混乱から、戦争への経路が複数発生し、エスカレーションと複数化によって、大量死が繰り返される可能性が高まっている。中国や米国やヨーロッパ内の混乱拡大は、直接の第三次世界大戦の危機となってしまう。

 

米国の復権・復活のため、新冷戦と第三次世界大戦の準備。核保有国以外の地域が戦場に。最初の危機は、世界人口80%を占める途上国・新興国に置いて、米中露NATOの代理戦争へ。

 

米国は、自身の崩壊を回避させるために、世界を不安定化させ、戦場とする政策を推し進める可能性がある。米国の所得格差をはじめとする国内問題が、世界を混乱や戦場へと導いている。

 

各種の陰謀論の根拠も若干は存在するかもしれない。しかし、現在の世界的な危機状況は、米国も中国もロシアも、金融資本家も、ネオコンであれ、誰であれ、正確に予測した者は皆無であり、むしろ「想定外の急激な危機拡大」との認識が多いと思われれる。歴史危機は、いつでも想定外であり「まさか」の繰り返しである。第一次世界大戦も第二次世界大戦も同様であった。

 

■ブレマーは、いまの事態を〝キューバ危機2.0〟と呼んで、核戦争の可能性に言及した。「キューバ危機」とは、旧ソ連が1962年、米国の鼻先であるキューバに攻撃用ミサイルを持ち込んだ事件だ。核戦争の瀬戸際だったとされる。米国のケネディー大統領と旧ソ連のフルシチョフ首相の秘密裏の交渉によって、旧ソ連はミサイルを撤去した。

「どんな政治的決断においても、今後は核の対立の可能性を考慮しなければなりません。世界大戦の可能性はある。本当に弱ってしまう。ポストモダンとかグローバリゼーションでもない。80億人の人間の命がかかっている」

 

■1995年の小川和久氏の記事である。米国にトランプ政権が、誕生する前であり、ウクライナ侵攻も想定されていない時代。7年前であれば、正論と思える。また、米国の東アジア覇権が、長期間にわたり維持される場合、現在でも、有効な議論であると思える。

米国覇権の維持が前提となっている。米国の崩壊や、東アジアにおける、米国撤退は想定されていない。日本の自主防衛が「国の経費」としてのみ分析できた豊かなグローバリズム時代であった。

「日本核武装論」は机上の空論である。

【しかしながら、いわゆる「日本核武装論」をリアリズムの観点からながめると、「ナンセンス」としか言いようがない。設問自体が根拠のない一般論でしかなく、成り立たないからである。】

 

【臨時追伸 4月14日 バルト海に、21世紀最初のキューバ危機の可能性高まる】

■2022年2月初旬、スカンジナビア半島にて、キューバ危機再来のブログを書きましたが、偶然の一致であり、以前から、核攻撃軍事演習のニュースが多い地域でした。早ければ、この2週間でキューバ危機の再来に至る可能性が高まっています。スウェーデンやフィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に加盟した場合、ロシアは核兵器や対空システム、軍艦、歩兵部隊をバルト海地域に展開する可能性がある。メドベージェフ安全保障会議副議長が14日ソーシャルメディアのテレグラムに投稿した。フィンランドは2週間後にNATO加盟の決断をする。

ロシア、バルト地域に核配備も-スウェーデンなどNATO加盟なら

 

21世紀の最初のキューバ危機の名称は【バルト危機】か【カリーニングラード危機】か【フィンランド危機】

■フィンランドとスウェーデンがNATO加盟意志を公表した。ロシアはバルト海に核の持ち込みに言及した。バルト海には、ロシアの飛地【カリーニングラード】がある。6年前の2016年からはカリーニングラードに近代的な核兵器準備を進めてきた可能性がある。ヨーロッパでキューバ危機再来なら、最有力と思われる。フィンランド、スウェーデン、ポーランド、ドイツなどの都市に、極超音速ミサイル使用なら5分で到達と言われ、バルチック艦隊の母港でもある。2016年からキューバ危機再来の用意周到な準備をしていた可能性がある。欧米メディアは、4月15日現在、以下ニューズウィーク誌のように、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に、キューバ危機の文字はまだ記されていない。

フィンランドのNATO加盟はプーチンに大打撃──ウクライナ侵略も無駄骨に

■現在のロシア・ウクライナ戦争の本質は、「米露戦争」であり、「米中覇権戦争」に発展する可能性がある(第三次世界大戦)フィンランドとスウェーデンのNATO正式加盟に、数ヶ月から1年間と、どの程度の時間で正式承認されるか不明である。バルト海のカリーニングラードからキューバ危機再来なら、スウェーデン、ポーランド、ドイツなどの都市のみならず、核恫喝の攻撃目標を、日本、フランス、英国、米国。最終的には、米国の大都市の名称が加わり、キューバ危機1962年10月27日の【暗黒の土曜日】にまで、核恫喝が相互にエスカレーションへ向かってしまう危機道程の入口とも思える。ウラジミール・プーチン大統領は、ミサイル開発分野では、少なくとも10年以上前から、キューバ危機再来を着々と準備してきたようにも観える。4月のフィンランドとスウェーデンNATO公式加盟検討の発表とロシアの反応から、米国もキューバ危機再来の危機レベルを、本格的に、「1962年10月26日午後10時にDEFCON2」への方向に、危機管理体制を水面下で、より高いレベルの全面核戦争準備を指示した可能性が高いと考える。

■米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は14日、ロシアが核兵器を使う可能性を「軽視できない」と述べた。ウクライナ侵攻が計画通りに進んでいないロシア軍が戦局打開を狙うおそれがあるとの認識がある。一方、実際に核兵器を配備している証拠は「あまり見られない」とも語った。ロイター通信が報じた。

米CIA長官、ロシア核使用の可能性「軽視できず」日本経済新聞

 

■ウクライナ露戦争で、私達は、好むとこのまざるとに関わらず、どちらにしても不愉快な選択をしなければならない(チョムスキー)

チョムスキー「プーチンに“逃げ道”を用意しなければ、世界は想像を絶する悲劇を迎える」

米国の中でも、ユダヤ人の中も、決して一枚岩ではなく多様な議論が存在する。ネオコンを支援する勢力、批判する勢力、Qアノンのような勢力から、急進派反米リベラル勢力まで多様である。よって米国も各勢力もゆれており、立場の変容も多い。その意味でリアルポリティクスでは単純な陰謀論は成り立たない。以下はリベラルで反ネオコンと言われているチョムスキーへのインタビュー。彼の立ち位置をそのまま肯定はできないが、有用な世界認識も含まれている。

Noam Chomsky and Jeremy Scahill on the Russia-Ukraine War, the Media, Propaganda, and Accountability(YouTubeなので日本語設定可)

 

■モスクワ国立大学国際機関・世界政治過程学部長のアンドレイ・シドロフは次のように答えた。「攻撃するなら、イギリスよりもアメリカを標的にすべきだろう。最終的な決断を下しているのは、ロンドンではなくワシントンだ。本当の意味での欧米の中心を攻撃したいなら、ワシントンを狙うべきだ」

「どうせいずれは皆死ぬ」「それでも我々は天国に行ける」ロシアTV、核攻撃前提のプロパガンダ?

『日本がウクライナになる日』の刊行にあたり、 同書の著者・河東哲夫氏と小泉悠氏が緊急対談

 

■ロシアのプーチン大統領は27日、ウクライナでの軍事作戦に関し、第三国が脅威を与えようとした場合は「電撃的な対抗措置を取る」と警告した。「ロシアは他国にない兵器を保有している。必要なら使う」として、核兵器使用も辞さない構えでウクライナへの軍事支援を強める欧米を強くけん制。カービー米国防総省報道官は27日の記者会見でロシア側の姿勢を「無責任だ」と批判した。

プーチン大統領、核使用を警告(共同通信)

 

■ふってわいたようなプーチンのがん手術とその延期。①本当に癌手術の場合の危機②手術がフェイクの場合の危機。どちらにしても、キューバ危機再来の危機に至る可能性がある。通常戦においてロシアの敗北は確定に向かっている。米国をはじめ世界のインテリジェンスは楽観主義におちいっていないだろうか?①②どちらであっても、ロシア戦勝記念日5`9後日に行われる予定の手術日程に、特にフォーカスする必要がある。どちらであってもキューバ危機再来や米国など先進国への核恫喝と核攻撃を意識すべき。米国のインテリジェンスはどこまで把握し想定しているか不明。現在、リークは限定的と思われる。ロシアの核攻撃準備体制の微変化を慎重に扱っているはずであり、ロシアにたいして、その兆候をもって、常に逆核恫喝を継続しているはずである。

プーチン大統領ガン手術で指揮権を一時手放す?後任に元連邦保安局長官…政権内に権力の空白が生じて大丈夫なのか

ロシアは限定的な戦術核兵器ではなく、米国やNATO大都市にむけて、戦略核兵器使用の全面核恫喝を行う可能性もある。米国政権中枢に、世界の命運がかけられている。手術日にプーチン大統領は地下要塞に籠るか、全面核戦争体制のIl-80(イリューシン80)ロシアの空中指揮機に搭乗するか、それとも本当にオペルームに入るか、プーチン大統領が一定期間消息不明となり、【1962年10月26日午後10時にDEFCON2】米国の全面核戦争準備体制に移行する兆候に注目する必要がある。癌手術が成功し戦争の長期継続なども想定できるが、偶発的な核戦争や事故発生が高まる可能性もある。また、ウラジーミル・プーチンの最期の闘いに巻き込まれる可能性もある。

 

■ヘーゲルは言った「経験と歴史が教えてくれるのは、民衆や政府が歴史から何かを学ぶといったことは一度たりともなく、また歴史からひきだされた教訓にしたがって行動したことなどまったくない」

無血でソ連を崩壊させたレーガンと他国の流血によりロシアを潰したいバイデン そのとき中国は?

 

■「米国は崩壊か革命か戦争か」の問題提起を以前のブログでしていました。ウクライナロシア戦争によって、どの勢力がどの程度関与したかは将来の歴史学者にまかせるとして、米国は崩壊ではなく、革命でもなく、戦争を選択しました。よって第三次世界大戦に発展するか、よくて新冷戦に至る。米国はグローバリズムや世界平和より、国益としての戦争の連続と新冷戦を選択した。国益として崩壊や革命を避け、戦争と新冷戦の世界をスタートさせた。ロシアとのキューバ危機再来を、やり過ごすことができれば、米国覇権縮小の回避や一時的に覇権復活も目指す。

近代の終焉と新オリエント時代「21世紀の人類の危機は2つの蕩尽現象」「米国は崩壊か革命か戦争へ」

 

■ロシアがウクライナで戦術核兵器を使用しても米国は核兵器で対応しない可能性がある。またウクライナ側が通常戦をあきらめず、ロシア政権存続の危機に陥る可能性がある。その場合ロシアは2回目3回目の戦術核兵器の恫喝だけではウクライナ側をおさえられないと判断した場合、核恫喝を米国に変更し、戦略核兵器による核恫喝、キューバ危機の再来にエスカレーションする可能性がある。全面核戦争前夜によって、米露の交渉によってのみウクライナの攻勢を止められる可能性があるからだ。ロシアが唯一有利に終戦停戦交渉に至る方法である。

 

■「この戦争の最大の勝者は中国だ」ウクライナ危機で東アジアに異変…世界屈指の政治学者が指摘する“米国のミス”

J・ミアシャイマー「この戦争の最大の勝者は中国だ」プーチンが核ボタンを押すまで終わらない

 

 

「21世紀の人類の危機」全面核戦争を回避する米中露NATOによって、途上国・新興国地域で米中覇権の代理戦争が拡大。世界的経済危機から新冷戦と第三次世界大戦など、世界大戦規模の戦争や大飢饉などの人為災害が繰り返される。

 

■ミュンヘン会談よりキューバ危機

「プーチンは、かつてのソ連やロシア帝国の復活を目論んでいて、東欧全体を支配しようとしている。ウクライナで終わりではない。その後は、ポーランドやバルト三国に侵攻する。ゆえにウクライナ問題でプーチンと交渉し、妥協することは、融和的態度で結局ヒトラーの暴走を許した1938年のミュンヘン会談の二の舞になる」──西側メディアでは、日々こう語られています。 これに対してミアシャイマーは、この見方は間違っていると言っています。歴史のアナロジーで言えば、「ミュンヘン会談」よりも、ソ連がキューバという“アメリカの裏庭”に核ミサイルを設置しようとして、アメリカがこれを許さなかった1962年の「キューバ危機」になぞらえるべきだ、と。

 

■今、人々は「第三次世界大戦に向かっている」と話していますが、「我々はすでに第三次世界大戦に突入した」と私は見ています。「我々はすでに第三次世界大戦に突入した」エマニュエル・トッドが指摘した世界戦争を激化させる“アメリカの無責任”

 

■パンデミック、ウクライナでの戦争、食料安全保障への脅威、そして世界的な貧困の復活。熱波、干ばつ、およびその他の異常気象。これらはランダムなショックではありません。また、従来の意味での完全な嵐、悪い出来事の1回限りの組み合わせでもありません。代わりに、地政学的、経済的、実存的という永続的な構造的不安の合流点に直面し、それぞれがお互いを強化しています。私たちは完全に長い嵐に突入しました。Confronting a perfect long storm IMF

 

■「世界経済見通し」は、インフレ率が高止まりすれば、前回のスタグフレーションの解消の過程が繰り返されて、一部の新興・発展途上国での金融危機の発生を伴った世界経済の急激な下降局面が生じる可能性を指摘している。新興・発展途上国では、成長率は2021年の6.6%から2022年は3.4%に低下する。2011‐2019年の平均である4.8%を大きく下回る。経済成長急減速、新興国・途上国スタグフレーションリスク

 

 世界経済は脱グローバル化の進行は止まらない「バフェット指数」や、ロバート・シラー教授の「CAPE」他、株高が過剰である指標がすでに多く顕在化している。株価高騰を支えた超低金利と過剰流動性の解消が同時に進む。それはいまだかつて世界中の投資家が未経験の経済現象。米JPモルガンのジェイミー・ダイモンばかりでなく、7月には世界中の投資家が金融経済のハリケーンに備えることになる。その後も金融経済と実体経済の混乱が継続され、数年後には世界恐慌以来の大不景気(世界的経済危機)に陥っていることが認識されるかもしれない(1929世界恐慌の暗黒の木曜日から、未曾有の経済危機と認識されるまで3-4年の時間が必要であった)各国は、今後予測される失業率急増に対して、実質的な政策準備が必要である。

 

■経済危機が回避できない大きな要因。新しい時代の産業変化によって、産業革命からの資本主義において、あたらしい産業によって構造的に、新産業の雇用全般が拡大しない特徴をもっている。歴史的には新しい産業によって古い産業は衰退し雇用は縮小するが、新しい産業によって、より大きい雇用が同時に創出されてきた。すでに20世紀前半以上の格差が発生しているが、21世紀の新しい産業は、古い産業の雇用は縮小させるが、新しい雇用が拡大しない産業構造をもっている。これが今後各国での失業率拡大を停滞させる要因であり、先進国における世界的経済危の深刻さの一因である。よって経済危機や大不況の停滞には全体主義や戦争経済による格差是正や雇用創出の方向が濃厚となる。また20世紀前半の経済危機は「恐慌」がメインであったが、21世紀は「スタグフレーションと恐慌とインフレ」という複雑な経済危機であり、1930年代の世界恐慌より、はるかに広い世界地域に複雑、広範囲、深刻な世界的経済危機である。また、かつてないほどの食糧危機とエネルギー危機が世界同時に発生する。21世紀の経済危機の深刻度は世界大恐慌を多くの意味で凌駕する。

 

■トマ・ピケティは現在の世界経済を、戦間期の世界恐慌直前の米国より、はるかに所得格差が拡大している経済である、と指摘しています。世界恐慌直前、ジョセフ・P・ケネディ氏は、靴磨きの少年が株式投資の話をしたことから、株式相場の異常を察知した。2022年現在は1929年当時以上の投資投機ムーブメントが再来している可能性がある。世界恐慌のような世界的経済危機がスケールアップしてはじまる可能性が高い。単なる米国リセッションやリーマンショックのような金融危機ではなく、1929年からの世界恐慌が大規模に、より深刻な世界的経済危機に突入する。

多くの国で、かつてない金融危機から失業率の高止まりが、かつてない水準で停滞する。途上国ばかりでなく、先進国も時間差で、全体的主義や内戦や対外戦争に突入する。局地戦争の勃発と拡大から、第三次世界大戦、第四次世界大戦など、20世紀前半のように世界大戦が短期に繰り返される可能性がある。数十年以上に渡り、世界各国で戦争が継続・頻発する可能性がある。21世紀の人類の危機は、かつてないスケールの世界的経済危機から、局地戦争が頻発・拡大し、世界大戦が繰り返される可能性がある。世界大戦が繰り返される中、最大の大量死は大規模な飢饉の拡大である。疫病、世界的経済危機、戦争、飢饉が大復活し、「21世紀の人類の危機」はかつてない規模の大量死が繰り返される可能性がある。

 

■6月11日、ロシア下院のヴォロディン議長は、ロシアに対し友好的な国による「新G8」を提唱している。そのアイディアはUS policies led to ‘new G8’(アメリカの政策が新G8を導いた)に詳述されている。要するに「アメリカが対露制裁などによって新G8結成のための条件を自ら作り出した」というもの。その新G8として「中国、インド、ロシア、インドネシア、ブラジル、トルコ、メキシコ、イラン」ロシアと、対露制裁に参加していない8カ国の実質GDP(購買力平価PPPを加味した補正値)の合計は、G7のそれを24.4パーセント上回っていると例示し、アメリカは自らの経済力を背景に世界の緊張を高めていると批判した。ロシア「新世界G8」の提唱

 

■ロシアとウクライナ戦争は長期化の模様だが、中国が簡単に台湾に侵攻するとは思えない。人民解放軍が台湾に上陸するために十分な通常兵力が整うのに10年から15年以上の時間が必要である。日本に対しても同様に、全面的な侵攻にはまだ準備時間が必要である。

今後の戦争拡大は①途上国・新興国地域(中東、中南米、アフリカ)であり、②核武装以外の国や地域であり、世界は親米、親中、中立と色分けがすすみ、ヨーロッパもアセアンも、いずれ分裂の危機が発生する可能性がある。核武装していない国で、かつ米中覇権で、代理戦争の最終決戦地の候補、最も重要な地域は日本と韓国ではないか。全面核戦争や米中の本土決戦を回避するなら、日本や朝鮮半島が最期の戦場となっても不思議ではない。また次回の世界大戦も、ヨーロッパで勃発する可能性が高い。

東アジアの日本や朝鮮半島が戦場になるまえに、東南アジア地域が戦場になる可能性が高い。米国側として軍事的に鮮明な態度を取り始めたオーストラリアと新G8に指名されているインドネシア。昨年インドネシア軍が潜水艦事故を起こした際は、米国でもオーストラリアでもなく、結局実際に救助したのは中国軍の潜水艦であり、インドネシアはメディアにおいて中国を熱烈歓迎した。またバリ島においても中国軍関係者は優遇された。ロンボク海峡の海底調査を中国は救助を名目に、十二分に達成できたのである。インドシナ半島や南シナ海ばかりでなく、インドネシアとオーストラリアの間である、バリ島のロンボク海峡が軍事的にも商業船運航においても、チョークポイントであり、将来、米中覇権の代理戦争には、インドネシアとオーストラリアで、ロンボク海峡が最前線となる可能性もある。

 

■満州事変が勃発した際、小林秀雄は「黙って処した」と、日本人を表現した。平成の没落から令和には、またしても理不尽な戦争に巻き込まれようとしている。日本人はまたしても「黙って処している」現在の日本は交戦状態ではない。しかし戦争に巻き込まれる可能性が高まり、地政学的危機が明らかである時代に突入した。歴史的運命である戦争ではない時代である。現在から「黙って処している」日本のエリートは没落しており、現在の「黙って処している」態度は日本の古典にある「もののあわれ」ではない。そのように美的なものではなく、共同体が薄弱に陥った、生命力が縮小している滅亡前の国民である。老いも若きも「集団睡眠薬自殺」の意識に向かっているが、危機感が発生せず「黙って処している」。運命が定まる前に諦め、政治経済や国家安全保障の危機的問題を無意識に、やがて意識的に回避する。戦争に巻き込まれる前から、すでに「黙って処している」

敗戦時、小学校低学年であった父と家族が貧困と食糧難に見舞われ、祖母が弱音か本気からか「家族で死んでしまおうか」と、すでに他界した父に言った、と親戚から聞きました。その時小さな子供であった父は怒ったように「死ぬのはヤダ!」と、即座に言い返したそうです。小学校低学年の子供に思想はないかもしれませんが、生命力が素朴に死を拒否したのかもしれません。現在の安全保障や地政学危機に危機感が発生しない問題を「戦後」としてあらゆる説明がされていますが、不明のままです。平和が危機感ばかりでなく「生命力」のような健全な動物性も薄弱化させてしまったのかもしれません。集団睡眠薬自殺にむかっている社会にあり、老若男女の日本人は、素朴に「死ぬのはヤダ!」といえないほど閉塞感に陥っており(没落が止められない無力感などから)、国難や戦争に巻き込まれるはるか前から、すでに「黙って処している」 日本の没落があと2段階進むとパニック意識から全体主義的な極端な政治経済に発展するのかもしれません。

しかしあと2段階没落しても、「黙って処している」ままである可能性もあります。21世紀の人類の危機に、日本も時間の問題で巻き込まれます。戦争のような破局的な人為災害に巻き込まれる前に「黙って処している」から「日本の生き残り」「滅亡や植民地はヤダ!」と危機意識が国民に共有されることでしか、国家存続は継続できません。なぜなら、本当に「黙って処した」しかない歴史的な残酷な運命にも至ってしまう時代(日本の地政学的危機)が近いと思われるからです。現在はまだ、幸運にも運命を変えられる時代であると思われます。

 

 

■9月21日 プーチン大統領は「欧米側の反ロシア政策は、一線を越えた」と述べ「欧米側は、核兵器でわれわれを脅迫している。ロシアの領土保全に対する脅威が生じた場合、国家と国民を守るために、あらゆる手段を行使する。これはブラフではない。核兵器でわれわれを脅迫するものは、風向きが逆になる可能性があることを知るべきだ」と述べ、核戦力の使用も辞さない構えを示し、欧米側を威嚇しました。①キューバ危機の再来か②第三次世界大戦の道程か③プーチン政権崩壊か、いずれにしても重要な転換日

プーチン大統領 “予備役”の部分的動員表明  ウクライナ侵攻での再び核恫喝へ

Putin issues ominous nuclear threat after losses in Ukraine cnn

もし、第二次世界大戦に核兵器が存在し、現代同様に国際社会で禁じ手であったたとしても、ナチスドイツが核兵器保有国であった場合、1943年には、国家の存続のため使用していたに違いない。ゲッペルズの総力戦演説前後には、使用に踏み切ったのではないか?今回のプーチンの本格戦争開始と核兵器使用への言及は、タイミング的に不気味である。軍事専門家は戦術核兵器との指摘が多いが、原子力発電所への攻撃からエスカレーションや「戦略核兵器使用準備」で、21世紀にキューバ危機の再来もあるのではないか?プーチンに残された戦略は、戦略核兵器のキューバ危機再来によって、欧米への戦略核兵器での核恫喝へのエスカレーションではないか?キューバ危機再来なら、全面核戦争への緊張が溶けたタイミングでの米国、中国などの大国仲介による平和会議となり、ロシアは唯一有利に戦争終結ができる可能性があるシナリオ。もちろん全面核戦争勃発リスクと引き換えになる。このブログでも3月から指摘しているが、繰り返してはいけないリスクである。

以下ミアシャイマーの発言・・・・専門家の多くは、交渉によるウクライナ戦争の解決は当面実現しないと考え、血塗られた膠着状態が続くと予測している。この認識は正しいが、すでに長期化している戦争に破滅的なエスカレーションメカニズムが埋め込まれていることが過小評価されている。米軍が介入した場合、プーチンを核使用に走らせることなく、ウクライナを救えるのか。ロシアがウクライナ軍にひどく追い込まれた場合には、モスクワが核を使用する恐れはないだろうか。エスカレーションの先にあるものは、第二次世界大戦を超える犠牲と破壊という、まさに壊滅的な事態かもしれない。

以下はインドネシアの記事(日本はロシア敗戦シナリオ記事が多く、米国はメディアにより多様か?インドネシアは最近、親露・親中記事が多い気がする)

第二次世界大戦以来初めて:プーチン大統領、動員を命じ、全軍で欧米と対峙する準備が整う

ケネディがキューバのミサイル危機に成功した理由は 2 つあります。第一に、彼はロシアの無謀な動きを止めるために核戦争の危険を冒す用意があることを示した。第二に、秘密の裏ルートを通じて、彼は究極の大惨事を回避するための安全な方法を見つけました。バイデンは両方の教訓を学ぶべきです。

To confront Putin, Biden should study the Cuban missile crisis

ウクライナでのこの戦争がどのように終結するかについて、より可能性の高いシナリオについて考え始めることが重要です。先日、ニューヨークタイムズのコラムニストであるトーマス・フリードマンは、3 つの潜在的なシナリオを設定しました。フリードマンは次のように書いています。「私たちにはまだわかりません。会話の中でその質問を精査したところ、3 つの可能性のある結果を識別しました。まったく新しいものもあれば、おなじみのものもありましたが、すべてが複雑で予測不可能な副作用を伴います。「結果1はウクライナの完全な勝利であり、敗北と屈辱が彼の顔を見つめる中、プーチンが狂ったことをするリスクを冒す.「結果2は、停戦を確保し、破壊を止めるプーチンとの汚い取引ですが、西側の同盟国を分裂させ、多くのウクライナ人を激怒させるリスクがあります.「結果 3 は、それほど汚い取引ではありません。2 月にプーチン大統領が侵攻する前の状態に戻ります。ウクライナはそれと一緒に暮らす準備ができているかもしれませんし、おそらくロシア人もそうするでしょうが、プーチンは最初に追放されなければなりません。(結果1はキューバ危機の再来、結果2はヨーロッパから第三次世界大戦への道程、結果3プーチン失脚のみがウクライナ戦争は一時的終結へ)

Three Potential Scenarios for Russian Putin

戦争の行方はさらに不確実になっているが、西側諸国がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領にロシアの要求に屈し、核の脅威に照らして戦闘を停止するよう強制しようとする場合、比較的近い将来に決定される可能性もある. 紛争が持続し、核戦争が回避されると仮定すると、約 100,000 人の新しい軍隊を戦場に配備するのに約 3 か月かかり、残りが到着するため、短期的には動員によって戦争の戦略的バランスを変えることはできません。次の月。動員の有効性をめぐる主要な問題は今後も続くだろう。最も批判的なのは、男性が戦争に参加することを要求することの政治的リスクであり、世論調査では男性が戦いたくないことを示唆している。

【数ヵ月前より、キューバ危機再来が、ゆっくりはじまっていた。相互の核恫喝】

US has privately warned Russia against using nuclear weapons in Ukraine for several months
米当局者によると、米国は過去数カ月間、ウクライナ戦争でロシアが核兵器の使用を選択した場合、相当の結果が生じるとロシアに非公式に伝えてきた。警告がいつ、どのように送信されたかは、すぐには明らかになりませんでした。ある当局者によると、国務省が関与していた。バイデン政権はまた、ウクライナでのロシアの戦争の準備と訴追を通じて、機密メッセージをモスクワに伝達するために諜報機関に大きく依存してきた.

 

「米中冷戦と第三次世界大戦」2022年9月21日、ゆっくりと長期に及ぶ【キューバ危機】の再来がスタートした可能性が高い。核兵器未使用であっても、ヨーロッパや中東から【第三次世界大戦】など大規模戦争に発展する可能性について

 

 

【明治以来の外発的近代化による素朴な近代国家から、内発的近代化への道程は、知識人の内的近代化によって始まる。地政学的危機に巻き込まれる前に、国民国家の本質的な再近代化によってのみ、立法や政策議論が有効となり、日本の生き残りが可能となり得る。内発的近代化による一定のナショナリズム再構築によってのみ、没落から滅亡が回避できる】

 

「これが最悪だ」などと言えるうちは、まだ最悪ではない。 The worst is not, So long as we can say, ‘This is the worst.’

Willia m Shakespeare

 

■人生は本来、コストのみではなく、自己と他者の命がけの連続である。親や友や異性などのケアの対象に、命がけの戦いの連続である、そこに疫病、戦争、飢饉など自然・人為災害などがあり、自己と他者の「生き残りをかけた命がけの連続」である。負ければ死やそれに準ずる体験、平時の社会において、必死に命がけであり、生き残りのための姿勢がないと、自己のみのエゴの論理でコスト基準のみの、生き残りや命と無関係の意識や生活となる。残念ながら「平和」は人や社会を「意味や元気や社会関係資本」を崩壊させる源泉である側面を含む。

「平和」は理想と思われるが、持続可能な真理ではない。平和は社会を持続させることもあるが、自然・人為災害によって循環がおこり、社会混乱から崩壊へむかう。崩壊から滅亡に向う過程によって、命がけの社会と生活から、「人々の生き残るための意識」が、社会の崩壊や破壊によって回復される。共同体の再構築もここからであり、出生率が増加に転じ、家族・親族など共同体なしでは、生きられない時代が到来する。(平和な社会も含むとハイデガーは他者〈人間以外も含む〉とするが、戦争などの大規模災害後の社会では人間こそが他者として復活する)

疫病、戦争、飢饉などの大規模な自然・人為災害のあと、多くの人々が切実に社会参加し、行き過ぎた個人主義は調整され、共同体や制度(社会関係資本)の再構築がはじまる。人々が多く集まれば、都市や国となる。そして平和が理想とされる。都市や長期の平和は共同体を変容させ、崩壊させ滅亡させる。崩壊から滅亡の過程に「生き残りが」再び人々の生活テーマの主題となり、命がけの意識が発生する。共同体の再構築もはじまる。いつの時代にも希望がある。平時にも乱世にも「生き生きと生きるべきである」個人にとっても共同体にとっても有効な意識である。

写真集「BALINESE※PCでの色彩閲覧をお勧め

疫病・恐慌・戦争・革命・飢饉・21世紀の人類の危機

 

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