バリサファリ&マリンパークから西に7km ほどのところにあるカント・ランポの滝。岩の上を階段を下りるように流れ落ちる段瀑(だんばく)です。今回、ご紹介するのは、そのカント・ランポの滝と川の流れを同じくするゴア・ラン・レンの滝。カント・ランポの滝からさらに西へ10分ほどのところにあります。
こちらも水が岩を滑り落ちてくるのですが、高低差があまりないため、滑らかに岩肌を滑り落ちてくる渓流瀑(けいりゅうばく、別名なめ滝)です。段瀑に比べると穏やかで落ち着いた感じがします。このゴア・ラン・レンの滝のもう一つのよい点は、訪れる人がまだ少ないためそれほど観光化されていないこと。人が多く賑やかな滝とは異なり、”素朴”という言葉がぴったりです。
1. 駐車場からのアクセス
特に整備もされておらず、係りの人がいるというわけでもない、空き地が駐車場になっています。駐車場を出ると、滝の入場料を払う場所があります。木の箱が置いてあってそこに好きな額を入れるようです。先のカント・ランポの滝がRp20,000だったので、同額を入れました。ここにいた青年が、ここにはゴア・ラン・レンの滝のほか、あと2つ滝があるけれど、そこに行くには道がないので、行きたい場合はゴア・ラン・レンの滝にいるガイドに案内してもらえる、ということを教えてくれました。その場所こそ、シークレットポイントとのこと。シークレットといわれると気になるところですが、まずはゴア・ラン・レンの滝に行ってみることにします。
上段左:ゴア・ラン・レンの滝の駐車場、中央:ゴア・ラン・レンの滝の案内板、右:ここで入場料を支払う
下段左:最初はなだらかな道、中央:続いて段差の少ない降りやすい階段、右:お寺方向と滝方向の分岐点
入場料を支払ってからはなだらかな道、それから階段があります。階段は”最近、新しく作りました”、という感じではなく、昔から使われてきた階段のようです。最初の階段を降りきると、案内板があって、左方向へ行くとお寺、右方向が滝となっています。
2. お寺のほうへ寄り道
滝へとはやる気持ちもありますが、お寺のほうに行く道に進んでみました。なだらかな道をしばらく下っていくと、川に出ます。なんとお寺は川の対岸にありました。浅瀬なので、お寺まではこのまま川を横切っていくようです。
写真左:お寺に向かっていく道、中央と右:対岸に見えるお寺、湧き水も流れ出ている
3. ゴア・ラン・レンの滝へ
お寺から再度、分岐点まで戻り、今度は滝に向かって進んでいきます。途中、Tegal Penangsaranというデワを祀っているところがありました。プリンギという神様を祀る祠があります。このあたりは昔から地元の人にとっては神聖な場所であるようです。そこを通り過ぎると、再び階段を下っていきます。滑りやすいところや急斜面などはなく、比較的歩きやすいでしょう。ただ帰り道、上りになると息が上がってくるかもしれません。
写真左、中央:Tegal Penangsaranとプリンギの看板、写真右:滝に続く古い階段
滝が見えてきました。幅が広く、岩肌をとうとうと水が流れ落ち涼しげです。先に来ていたツーリストたちが滝つぼで涼んでいます。それほど深くなく、日陰になっていて気持ちよさそうです。滝つぼまではロープを頼りに岩肌を上っていきます。
上段左:ロープをつたって岩肌を上る、右:滝つぼで楽しむひとたち
下段左:流れが急なので、注意しながら滝に下りていく、右:滝の中で写真を撮る
ところで、ゴア・ラン・レンのゴアというのは ”ほら穴” のこと。あたりを見回してみましたが、ほら穴は見つかりません。気になったので、地元の人に聞いてみると、下からは見えないのですが、上のほうには水流であいた岩穴がいくつかありそこから水が流れ出ているのだそうです。
4. ゴア・ラン・レンの滝の感想
ゴア・ラン・レンの滝は悠々と水が流れ落ちてくる様が涼しげで、見ていて飽きませんでした。岩がするどく削られているので、水流は激しそうです。ここにはロッカーや更衣室といった設備はありませんが、自然のままの滝が自然の中にそのままあるのがよかったです。滝つぼで水遊びもできるし、滝の下でしばし涼むこともできそうです。滝そのものを楽しむこともできるし、のんびりと穏やかに落ち着ける場所でもあります。
この滝自体が穴場ですが、時間と余力があれば地元の人に案内してもらって、さらなる秘境、シークレットポイントまで足を伸ばしてみるのもよいと思います。
ゴア・ラン・レンの滝(Air Terjun Goa Rang Reng)インフォメーション
入場料:お布施
アクセス ★★★★☆
混雑具合 ★★☆☆☆
お勧め度 ★★★★☆
取材時:2020年2月
内容、料金などは取材時点のものとなります。